私的2022年本屋大賞!

はじめに

2022年の本屋大賞は、4月6日に発表される。

今年の本屋大賞ノミネート作もなかなかの豊作で、正直どれが対象に選出されても納得できるくらいだ。
私は今年こそは全てのノミネート作を読みたいと思っていたのだが、4冊しか読了出来なかったので達成できなかった(本当にこれは読書家にとっての悩みなのであるが、自身の読書スピードを上回る勢いで読みたい本が次から次へと出てくる為、時間がいくらあっても足りないのである。)。
近年の傾向として、「蜜蜂と遠雷(恩田陸著)」や「そして、バトンは渡された(瀬尾まいこ著)」、「流浪の月(凪良ゆう著)」のように本屋大賞は映像化されることが多いので、果たして今年はどうなるのか楽しみである。

さて、2022年の本屋大賞の対象作品となるのが、2020年12月1日~2021年11月30日の間に刊行された小説であるが、それに則って私の本屋大賞なるものをベスト3形式で発表していきたいと思う。
では早速行ってみよう!

第3位

第3位は、「正欲(朝井リョウ著)」である。

直木賞作家の朝井リョウ氏による渾身の一作。
今年の本屋大賞ノミネート作品のうちの一つである。
「多様性」が問われるようになった現代において、その言葉の持つ意味や歪さ、その是非を問う作品となっている。
この作品を読んでまず思うことは、何を思っても何を感じたとしても、安易なものになってしまうことである。
だからといって、これを読まずに本当の意味での今を生きることはできないようにも思えるのでもどかしい。
とにかく、今まで裸眼で見ていた世界の彩りに対して、この作品という眼鏡をかけることによって、ひどく違和感を覚えるようになることは間違いない。
それくらい読む前と読んだ後とでは、自身の考え方が一変する作品である。

第2位

第2位は、「スモールワールズ(一穂ミチ著)」である。

こちらも今年の本屋大賞ノミネート作品からの選出。
この作品自体、第165回直木賞候補作というだけあって、非常に読み応えのある短編作品集となっている。
私たちの生きるこの世界は、自らを含めた沢山の人たちの小さな世界で作り上げられている。
そんなスモールワールズの世界を覗くことで、読者は喜怒哀楽さまざまな感情を抱くことは間違いなしだろう。

第1位

第1位は……………
「テスカトリポカ(佐藤究著)」である。

第165回直木賞受賞作の作品。
暴力、血、神話、麻薬、臓器売買、もはや何でもあり。
これら全てを統合した舞台となるのは、何と我らが国日本。
圧倒的筆致で描かれる描写に思わず恍惚としてしまうくらい、世界観が作りこまれている。
この小説には度々儀式の場面が出てくるのだが、これが本来の祭祀だろうかと思うくらい、神々しく、それでいて禍々しい。
残念ながら今年の本屋大賞にはノミネートされなかったものの、直木賞を受賞したというだけあって、本当に面白い作品である。

おわりに

これにて私的2022年の本屋大賞の発表を終わりとする。
大賞発表日の4月6日が待ち遠しいが、一先ずノミネート作をあと1冊は何とかして読みたい。

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