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日本酒に現れるお米が持つ力

原料であるお米が日本酒の味の大きな決め手であることは、間違いなくて。

この時にお米に関してちょこっと出てきたけれど、
お米の構造からもう少し見ていきたいと思う。


稲を収穫してもみ殻を取り除くと、
中から出てくるのは玄米。

お米の構造(出典:株式会社ハセチュー

その玄米の外側から順にいくと、
果皮、種皮で覆われているということ。

その内側には、タンパク質や脂質など存在する、
糊粉層(こふんそう)と呼ばれる層があって、
発芽に必要な酵素やフィチンという栄養物資などが含まれる。

その内側には胚芽(はいが)と呼ばれるものがあり、発芽に必要なタンパク質やビタミン類を多く含む。

清酒造りにおいて重要なのが、
糊粉層よりもさらに内側。

心白(出典:KUBOTAYA

玄米粒の中央にある「心白(しんぱく)と呼ばれる、円形または楕円形の不透明な白色の部分。

心白部分はお米の組織が粗くて、
たくさんのすき間が空いた状態に。

心白があるお米は、
吸水性が高く、蒸米を溶かすのにも良い。
・麴菌が食い込みやすいので
酵素力の高い良い麹ができる。

このため、
心白のあるお米は清酒造りにおいてとても影響力が高いもの。


ではでは、ここからは
そのような心白のあるお米を含めた酒米にはどんな成分があって、清酒にどのようないい影響を与えているのか。

まずは

①炭水化物(糖質)

玄米の70~75%を占めて、
そのほとんどがでんぷん
清酒造りにおいては、麹がでんぷんを分解して生成したブドウ糖を酵母が発酵し、
アルコールと二酸化炭素を作り出すという。
ちなみに、ブドウ糖の一部は日本酒の甘味成分に変わる。
また、ブドウ糖によって味の幅やコクの形成にも繋がる。


②タンパク質

玄米に含まれる7~8%。
日本酒のうま味や苦味などに影響を与える。


③脂質

玄米の外側に多く存在していて、
玄米中に2%ほど含まれる。
日本酒の香り成分の生成に影響を及ぼす。


④ミネラル

玄米の外側、胚芽部分に多く、
玄米中に1%のみ含まれる。
重要なミネラルとしては、
カリウム・リン・マグネシウム・カルシウムの4つ。


⑤ビタミン

胚芽部分に多くいて、
主にニコチン酸・ビタミンB1、ビタミンB2、
ビタミンB12
などの水溶性ビタミンB類が含まれる。

ということで、
以上の5つがお米に含まれる栄養素でした。

それぞれの栄養素が、
日本酒にとてつもない素晴らしい要素を入れてくれていて、美味しく感じる日本酒にはこういう理由があったんだと、思った回でした。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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