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#93_【読書】週末の縄文人/週末縄文人 縄・文(株式会社産業編集センター)

私が対馬に移住する直前、当時の市長が「縄文に帰れ!」とおっしゃっているということを、人づてに聞きました。

しかしながら、縄文時代に興味がなかったため、何を意図しているのか理解できていなかったのですが、最近になって、私のまわりに発掘系マニアが頻繁に出現し、「こんな動画があるよ」と立て続けにススメられました。

概要は、こんな感じです。

都会のサラリーマンが、週末をつかってゼロから文明を築くことができるか検証していく動画です。
道具は一切使わず、自然のものだけを使います。
週末にしか撮影できないため、動画のアップは月1〜2回になります。
不定期なので、登録して通知がくるようにしてくださると嬉しいです!

「週末縄文人YouTubeチャンネル」概要より
2023年11月29日閲覧

以前、「発掘された日本列島2023」のご紹介でも触れたとおり、対馬でも縄文時代以降の遺跡がありますし、石棺墓はいい感じに保存されていますので、マニアの方がいらっしゃっても多少は話ができるようにと、手に取りました。

近年、SDGsが流行っていることもあり、物事を「点」ではなく「つながり」で見ようと心掛けるようになりましたが、現代の生活では当たり前のように扱っている「火」、「刃物」、「ヒモ」、「器(土器)」が、なぜ必要となったのか、現在に至るまでに、ヒトはどのような知恵を手に入れ、そして進化させていった(させる必要があった)のか、実践の様子とともに記述されていますので、私のような凡人でも理解が深まりました。

以前ブログで、私が古墳にコーフンしない理由として、ガラスケースにうやうやしく鎮座している埋蔵品と、掘り出された「もぬけの殻」では、私のように素養を持ち合わせていない人からすると、その遺跡がどのような意味を持っているのか、実感が持ちにくい、と書きましたが、
それに加えて発掘されるものが、時代を下りどのように変化(進化)をしたのかを知っているかどうかで、見え方がまったく違ってくるのだろうと感じました。
まさに「つながり」で捉えることは大事と感じます。

著者のおふたりは、動画制作をしているだけあって、そのあたりの表現に長けているのだろうとも思います。

著者が現代の生活から離れることで得ている気づきが、また面白いと感じますが、その中でも目に留まった一節をご紹介します。

 人がどんな自然環境に生き、どう工夫してその厳しさと向き合っているか、屋根は教えてくれる。
 屋根とは、その土地に住む人々の暮らしを象徴する、ある種の「シンボル」なのだ。

週末の縄文人/週末縄文人 縄・文 P140

対馬にお住まいの方でしたら、この絵面が浮かんだという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

【デデーン!!屋根が石の倉庫です。】

冬の対馬に吹きこんでくる、北西からの季節風に対して編み出されたといわれる「石屋根」ですね。

こちらの石屋根倉庫は、大正末期に建てられたもので、縄文時代とはかけ離れていますが、このようなものとも結びつけられる感性が素晴らしいと感じます。

ライターのような仕事を始めて、いつの間にやら5年も過ぎていましたが、最近AIがめまぐるしく進化しているからなのか、物書きの仕事でも、自分でネタとなる情報を見つけてくる以前に、自分でネタを作ってしまうヤツのほうが強いのではないか、と考えていました。
たまにそんな話をしても、「なに言ってやがるんだコイツ?」と思われることのほうが多いですが、週末縄文人さんはまさにそれを地で行っている感じですし、最近こんなコラムを拝見し面白いと感じました。

それにしても、「0次情報」って洒落たネーミングですね(^_^)b。

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