カウアイ島での航海カヌークルートレーニング。
カウアイ島で行われていたImi Naʻauao(「先代の知恵を探求する」という意味でしょうか)と呼ばれるカヌーのクルートレーニングに日本航海協会のメンバー視察のアテンドで行ってきました。過去にフルにはまだ自分も参加したことはないのですが、昨年もカウアイ島で行われて少しだけ参加して、今年もまた会場に行くことができました。
ハワイには1970年代から多くの伝統的航海術を使った航海カヌーが作られてきています。ホクレア以外にも、ハワイ島のマカリイ、オアフ島のハワイロア、ホクレアの世界航海のために寄贈されたヒキアナリア、そしてカウアイ島のナマホエなどがあります。このトレーニングのためにヒキアナリアもオアフからカウアイ島にやってきて、ホストカヌーであるナマホエやハワイ大学カウアイコミュニティカレッジもワークショップの場となりました。
そこで講義や実技、文化的要素やプロトコル(儀式や慣習)を学ぶワークショップなどが行われます。カヌーに関わるクルーたち、スタッフ、ゲストなどが総勢80名ほど集まりました。航海カヌー初心者やゲストもいれば、長年の経験のあるクルー、また久々に再会出来たクルーたちもいました。それだけの人たちが集まれば、講義やワークショップ以上に、そこで生まれる出会いや、ストーリー交換が本当におもしろいのです。
この期間中は、なんだか涙腺が弱かった。
胸がいっぱいで、そのキャパを超えたら涙は出るのかなーって思うけど、なんかつねに胸がいっぱい状態でした。
涙の沸騰点上に常にいた感じです。
今のホクレアの世界航海も、ある意味「次世代へのバトンタッチ」がテーマで進んでいるのですが、このカウアイでのトレーニング期間中にも世代交代が進んでいると感じる場面が多くありました。経験のあるクルーたちが表舞台に立つ必要がなく、若い世代が率先してプログラムが進んでいました。
カウアイ島のナマホエは建造に10年以上かけていて、実はまだ海に入っていません(アップデート:ブログ投稿後の2016年9月にカヌーは完成され無事に入水儀式が行われました)。
ボランティアだけの力で建造は進んでいるので、始めの頃は数名のコアのメンバーだけで作業が進んでいました。そんな時期からナマホエのことをみていたので、最終日の前の晩に大学の講堂で映画上映がありその前座でクルーたちがハカやオリの披露があったのですが、大勢の若いクルーたちがたくましくナマホエを代表している姿を客席から見た時にはかなりうるっときました。
最終日には、トレーニングの終わりとともに参加者全員で輪をつくり、感想をシェアする機会がありました。
そんななかで、経験の多いクルーがこんなことを言ったのが印象的でした。
「自分が生きている時間なんてなが〜い歴史の中ではほんの一部、自分のもっているものを前の世代から次の世代へきちんとバトンを受け取って渡していかないといけない。バトンを持とうと思うのも、渡そうと思うのも、それをやるやらないを決めるのは自分。。。」
自分自身は海の専門家ではないけれど、それでも自分の役割はここにあるわけで、それをちっぽけなものだとしても、キャパマックスでやる大切さと重要さを感じました。
そんな言葉にまた胸がいっぱいになってウルウルしていました。
果たして自分は、今、全力で次に向けて力を注いでいるのだろうか。全力で立ち向かっているのだろうかと改めて考えさせられました。
そしていつも会える人たち、久々に会った人たち、初めて会った人たちのストーリーをたくさん聞いて、出会うことでの化学反応、インパクトのすごさもあらためて感じました。
そしてそこでもみんなが全力の人たちだからこそ伝わるパワーもすごいし、人間力というかもっともっと自分も経験値増やさないといけないし、もっともっと全力でいかないとって思えました。
このトレーニングには、日本の商船高専の学生たちもいました。カウアイ在住の日本人の方たち、ホクレアに関わっている日本人の人もいました。
そして日本航海協会のメンバーたちも、お邪魔にならない程度に視察させてもらいました。なんかハワイと日本のつながりはあるなとうれしく思えたし、
ハワイに居る日本人としての役割、役目はまだまだあるなと実感できました。
ハワイに来てからの学びって、とってもホリスティックなもので、ただ書いてあるものを覚えるだけじゃなくて、論理的に、学術的に正しかろうがどうだろうが、その土地に根付くもの、先代から伝わるもの、直感的に感じるもの、目の前に見えるもの、見えないけれど感じるもの、そういうものを信じて自分のコアと周りの環境や人とのバランスを大切にしなさいって常日頃教えられている気がします。まだまだ自分はぶれている部分もあるけれど、だからこそやるべきことが見えてきているとも思います。
そんな毎日が本当に贅沢でいつも感謝です。
注:こちらのブログは、Myハワイ歩き方の編集部ブログとして2016年に投稿されたものを一部編集して再投稿しています。
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