石原 克
怪文書集
自分の書いたきずきり百合創作
千葉県市原市に「とうちこ池」と呼ばれる池がある。県道をそれ、長らく整備されていないであろうボロボロの道路を歩いて行くと、昔は竹でできていたであろうみすぼらしい囲が現れる。 その囲の内側に岩で縁どられた小さな池が鎮座している。 これが今回の話の種、とうちこ池である。 この池にまつわる言い伝えは何の捻りもないが恐ろしいものである。 1. 池について問うと死ぬ。 2.池の内に入ると死ぬ。 3.池のそばで乞うと死ぬ。 この3つの言い伝えで「とうちこ」である。 ただた
ライドカメンズ 始めました
小児の遊びの代名詞ともいえる鬼ごっこやかくれんぼに欠かせないとうちこ遊びというものがある。いわゆる当てもの遊びというもので、遊戯のオニ決めによく用いられている。 木の枝を十分にしならせてから両手で揉み回し、周りの「とうちろろん!」という掛け声で手を投げ放し、落ちた枝の向いた方の者をオニと決める。 「とうちこ」という言葉から何か滑稽な意味を持つと思われる人もいるであろうが、実際は決してそうではなかった。 正月の三が日に小枝を編み綱にしてグリグリと揉みまわし、 「とうちこ
春のとうちこパン祭り
「とうちこ奇談 絵」にとあるとうちこの事例を紹介した。 https://note.com/bcos_a/n/nbb4b516b38a5 上記事例は人伝に聞いた実話を元に制作しているのだが、その真実性を裏付けるものがある。 東央新聞の11月28日付けの記事に次のような記事があった。 新聞ではSNS上に投稿された変なスペースが噂を呼んだとして紹介されているが、これが大きな話題となったのはあ 別の投稿が火付け役となっている。 現在は削除されているが、空白なんて無かっ
休日に商業施設に行った時の話だ。 この商業施設はデパートと呼ぶには小さい規模の施設である。三階建てで三階と屋上が駐車スペース。一階には大きなスーパーと小さな書店とパン屋が設けられている。また、二階にはホームセンターとイベントスペースが備えられてある。 このイベントスペースは、クリスマスやバレンタインなどの季節のイベントに物販が行われたり、地域の伝統芸能や小中学生のブラバン隊が演奏イベントが開催されたりしている。 二階のホームセンターに寄る際にそのイベントスペースに通り
前書き 本稿は統治行為論アドベントカレンダー2023の12/19の記事である。 最初に注意書きを書かせていただく。注意書きを読むと興ざめしてまうので、適当に流してもらいたい。 本稿は当然全部僕の創作であるし真っ赤な嘘なのだが、僕の趣味で真実味を帯びさせるためにでっち上げの参考文献や実際の地名を出している。文献については実際に存在したとしても全くそんな内容は書かれていないし、僕は読んだこともない。 とうちこ奇談類とうちこ狐 狐の憑き物である。 非常に多くの記録が残っ
本稿は統治行為論Advent Calender2023 12月12日の奇行、寄稿文です。 「『とうちこさん』って知ってるか?」 A君はB君の返答を待たずに話し始めました。 「『とうちこさん』ってのは言わばコックリさんの亜種だよ。フォーマットが全く違うんだけど方向性が同じなんだ。とうちこさんに悩みを打ち明けるとアドバイスをくれるって話だ。 手順は簡単。まずはSNSのXのアカウントを用意する。普段から活用しているアカウントの方が成功率が高いらしい。 次にそのアカウントで"
本稿は統治行為論Advent Calendar2023の12月5日の記事です。 Twitter(旧Twitter)にて猛威を振るう統治行為論さんですが、マンガや小説文藝にも広く通じておられるのです。私が差し出がましくも罷り越し、御とうちこ殿に萬の藝をお奨めし候こともしばしば。しかしながら、なんでもかんでも手当たり次第にオススメを投げることは最近やめました。シンプルに僕が忙しくなったのもありますが、下手な鉄砲を打ちすぎて砲塔が悪くなってきました故。 今回の記事では、薦め
11月に降る雨。これが寒くて敵わない。心悲しくて仕方ない。凍曇を見上げ立ち止まる。 雲の生まれる場所がある。 天に住まう方々だけが知る道がある。侵してはならない雲の上の世界を畏れ、崇め、奉る。 ああ寒い。 世界を濡らし、暁くれどなお止まず。
ずうのめ人形 (角川ホラー文庫) 澤村伊智 著 久々に読んだ。Xのフォロワーにホラー作品のおすすめを聞かれて比嘉姉妹シリーズを提案したことをきっかけに読み返した。 あらすじはこうだ。 内容(「BOOK」データベースより) 話の流れ的にはホラーミステリによくある、なんらかの理由で呪われて、その呪いを解くために怪異の由来や特性を調べるというものだ。この「ずうのめ人形」の作中にも出てくる有名なホラー映画「リング」も大まかには同じ流れである。とはいえ、本作はこのホラーミステ
お疲れ様です。石原です。 9月も終わり、3Qの報告をいたします。 9/30 の同期のInstagramアカウントで自分の参加するチームの後輩と一年上の先輩とチーム唯一の同期の三名が9/29(金)に飲み会に行っている風景の投稿をしているところを確認いたしました。 8月ぐらいに同期のInstagramアカウントの写真を会話中に見せてもらうことがあり、そこでアカウント名を覚えていたので時たま彼のアカウントをのぞいていた際の発見にございます。 私は誘われいません。 まあ
もし、あなたが精神を守りたいと思うなら。 "とうちこ"にまつわる数々のお話を詳しく調べないほうが良い。 健全な常識を、心を、精神を、持っているなら気をつけていただきたい。 とうちこは眼窩から入ってくる。 それは心に入ってくる。 とうちことあってどうかしないわけがない。異常をきたして当然だ。 精神の調和が崩れて心が壊れる。 当たり前。 助けられはしない。 予防はある。 もし、夢にあやしみある時、唄を三べん唱える。 「打ち解けて もしまどろむことあらば ひき驚かせ わがまく
「どうすっかなあ・・・」 雑草が野放図に伸びた庭を眺めて小桜はため息をついた。 小桜はガーデニングに興味があるわけではないが、社会常識として最低限の庭の手入れは行なっていた。しかし庭にロクでもないものができてからは手入れはおろか近づくことすらなかった。 小桜はそのロクでものないものの庭に刺さった園芸用ポールを睨みつけた。 近所付き合いのない小桜としては、公共の道路にはみ出さない限りは庭は荒れ放題でも別に構わなかった。ただ、これから社会性を身につけていかなくてはならない
『君の教室が永遠の眠りにつくまで 』(角川書店単行本)(鵺野 莉紗 著)を読了した。 これからこの本についてとやかく感想を書いていくのだが、私はこの本を大いに評価しており、こうして感想を述べていきたいと強く思うほど心を動かされたということだけは事実であり揺るぎない結論である。 まずは自語りを挟ませてほしい。 私は本作品を発売された当月に購入した。2022年12月である。しかしながら読了は2023年8月。 読了まで半年以上の期間が空いてしまったのは理由がある。 この
大暑を迎え、茹だるような日差しに暑さの募る連日の中、皆様は体調には気をつけておられるだろうか。 さて、セミの鳴き声が響く今日この頃。古くから親しまれていたこの音にワビサビを感じ、日本の夏を実感できるのでは無いだろうか。 まだセミが死滅してしまう前、かの有名な松尾芭蕉が次のような句を残している。 閑さや岩にしみ入る蝉の声 世俗的な喧騒から離れた山道に蝉の鳴き声が響き渡るという夏らしい句だ。 さて、蝉の鳴き声の電子化が盛んになった今日ではあるが、風情を感じるととも