感想文「ずうのめ人形」

 ずうのめ人形 (角川ホラー文庫) 澤村伊智 著
 久々に読んだ。Xのフォロワーにホラー作品のおすすめを聞かれて比嘉姉妹シリーズを提案したことをきっかけに読み返した。
 あらすじはこうだ。
内容(「BOOK」データベースより)

不審死を遂げたライターが遺した原稿。オカルト雑誌で働く藤間は、作中に登場する「ずうのめ人形」という都市伝説に惹かれていく。読み進めるごとに現実に現れる喪服の人形。迫り来る怪異を防ぐため、藤間は先輩である野崎に助けを求めるが―はたしてこの物語は「ホンモノ」か。

 話の流れ的にはホラーミステリによくある、なんらかの理由で呪われて、その呪いを解くために怪異の由来や特性を調べるというものだ。この「ずうのめ人形」の作中にも出てくる有名なホラー映画「リング」も大まかには同じ流れである。とはいえ、本作はこのホラーミステリの流れを踏襲しながらも、迫り来る怪異の描き方や呪いの事由経緯が他作品よりも抜きん出ているように感じた。
 多くは語らないが、秀逸な物語展開とことの顛末のおぞましさと意外性を是非体験して欲しい。

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