8つの切り口で世界を堪能。 Please enjoy the world in 8 cut.

 『一人称単数』(村上春樹著・文藝春秋刊)読了しました。単行本になる前に初出で読んだものが殆どですが、改めて読んでも、今回も充分に村上ワールドを楽しめました。もちろん、これからも何度も繰り返し読みます。何度読んでも新しい発見がありそうな予感がします。以下に、8つの短編について短い感想を記します。

ご注意! ネタバレになるかもしれませんので『一人称単数』を読了後に、以下を読むことをお薦めします。

石のまくらに……どこかで「ちほ」には生きていてほしい。
クリーム……「中心がいくつもあって外周を持たない円」は存在する。
チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ……「Charlie Parker Plays Bossa Nova」のレコードを聴きたい。
ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles……きっと[設問]の答えは「比較的理にかなってはいないけれど、決して間違いとは言えない」ものになる。
「ヤクルト・スワローズ詩集」……私は父親から「よかったなあ」と言われたことはない。
謝肉祭(Carnaval)……「幸福というものはあくまで相対的なものなのよ。違う?」というF*の定義は、違わない。
品川猿の告白……品川猿の人生はきっとこれからも続き、私たちはそれをいつか知る(読む)ことになる。
一人称単数……どこかで何かが歪んでいるなら、ここから(奇妙な)物語が始まる。

追伸

 一人称単数に関連して追加すると、私は過去に「記憶の中の登場人物。それから空似3人。」という記事を書いています(だから、これがただの小説だとは思えませんでした)。


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