私の死に場所は誰が決めるのか? Who decides where to die for me?
先日『死を生きた人びと』(小堀鷗一郎著・みすず書房刊)を読みました。副題は「訪問診療医と355人の患者」となっています。自分自身はもちろん身近で大切な人の、最後の日々(そのとき、どんなふうに生きるのか、そして死ぬのか)を考えるための一冊です。小堀さんは355人の看取りに関わった訪問診療医なので、それぞれの事例が生々しいドキュメンタリーのように読者に迫ってきます。ここに提示される死に様は、同時に生き様でもあります。
小堀さんは同書の終盤(198頁)で「私の見果てぬ夢」として「『死を怖れず、死にあこがれずに』だれにもとどめることができない流れに流されてゆく患者と、その一人一人に心を寄せつつ最後の日々をともにすごす医師、そのような患者と医師の関係があってもよいのではないか。」と記しています。初版は2018年5月ですが、2年経った今、日本の終末医療の在り方は、患者にとって良い方向に向かっているのでしょうか? まだまだ「見果てぬ夢」のままなのでしょうか? そろそろ他人事ではなく終末医療(在宅診療や在宅看取り)に向き合わなければと考えさせられました。
追伸
元々小堀さんを知ったきっかけは、数年前に見たTVの「在宅看取り」のドキュメンタリーだったと記憶しています。小堀さんの新刊『死を受け入れること--生と死をめぐる対話--』(小堀鷗一郎著/養老孟司著・祥伝社刊)も読んでみようと思っています(養老さんとの対談ですから興味津々)。読後には、また記事を書きます。
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