The Mothman Prophecies観た

体調がすこぶる悪い時に見ていたため、独特の演出やサウンド、シナリオ展開の影響で悪化しそうだった。それくらいには雰囲気たっぷりで魅力的な作品だった。錯綜を醸し出す演出から「バスターの壊れた心」を思い出す。
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※以下ネタバレ含む※
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 面白い(好きな)ポイントは、主人公とその関係者たちが正体の捉えられない謎の存在によって引き起こされる超常現象に振り回され続け、そのまま終わる、という展開。

 一応問題解決のために主人公は動くものの、その怪現象は謂わば「災害」のように歯止めが利かず、人々を苦しめ、ふとした瞬間にパッと去っていく。太刀打ちできない圧倒的な存在に目を付けられた人々の心情や行動の変化、特にエスカレートしていく状況の変化が見所の作品だった。

 主人公が何より一番の被害者で、最後まで自分の身に起こる謎の現象に苦悩し、その非常に理不尽で邪魔くさい己の問題を解決すべく行動するという点は、とてもリアリティを感じた。仲間を救う以上にとにかく自分を救いたいという強い感情がよく伝わってくる作品で、だからこそ、体調不良の自分に強烈な刺激をもたらした。

 結局、モスマンとはなんだったのか? そこ焦点を当て続けない作風に惹かれた。そしてその存在や現象について認知しているものがほぼほぼおらず、問題を主人公が一人で背負い込むところや、一地域という規模で現象が生じる点に閉塞感があり、すごく没入できた。

 「バスターの壊れた心」のように小さな規模で起きる解決不可能の怪現象に主人公だけが人知れず苦しむ、狂う、といったストーリーが私は好きらしい。体調が優れているときに観たかった。

 予言の伏線が、ラストで全回収ではなく、ちょくちょくヒントを与える構成になっており、しかし、終盤の終盤まで予想できにくいもので、とても効果的に感じた。この予言関係の演出はなかなか不気味だった。

 自分の心理状態の影響もあり、錯綜感漂うこの作品は割と怖かった。よく分からないヤバイものにじわじわ蝕まれていく感じが良かった。

https://note.com/bc_madoromi/n/nc5790cfcd66d

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