記事一覧
世界初!? 粉体原料を用いた全自動合成システム
まとめSamsungさんの研究所が、粉体原料を扱えるラボラトリーオートメーションを実現したよ。
粉体の秤量から、混合、焼成、XRDでの生成物評価まで、ロボットアームで自動で実験させることができるよ。
生成エネルギーの計算と組み合わせて、従来の合成手法(原料の組み合わせ)より高効率な手法を実験的にたくさん見出すことができたよ。
(じつはボールミルとXRDの試料準備は完全には自動化できていないよ
State-of-the-artsな物性GNNモデルALIGNNをまなぶ
はじめに(これは解説ブログではなく、感想ブログです。)
2023年4月においても、固体物性予測のstate-of-the-artsなGNN(グラフニューラルネット)モデルは、Atomistic Line Graph Neural Network (ALIGNN)です。(5月において首位が入れ替わりました!)
ALIGNNは物質を構成する結晶構造において、原子間距離だけでなく、そのボンド同士の角度
グラフニューラルネット物性予測での外挿性問題についての論文を読む
2022年10月末にarXivにて公開された、"A critical examination of robustness and generalizability of machine learning prediction of materials properties"について読みます。MI界最強と謳われたグラフニューラルネット(GNN)ベースに外挿性難あり?という内容です。メインの主張はA
もっとみるコンクリートのMLレビュー論文を読む
2022年6月にnpj Computational materials掲載されたレビュー論文"Machine learning in concrete science: applications, challenges, and best practices" を読み、簡単に(雑に)まとめます(まとめようとします)。この論文は、建築資材のコンクリートに関するレビューであり、"しっかりした"サイエ
もっとみるdata-orientedなマテリアルズ・インフォマティクスにおける外挿性に関する議論をまとめたい
本記事では、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)において用いられる機械学習、とくに外挿性能の評価方法、そして外挿性の向上方法について、ネットから探してきた論文の内容をまとめる(全4報)。またSchNet, CGCNNなどの機械学習モデル自体を取り扱った議論は取り上げない。(基本的にgoogle scholar検索の上から選んできたもの、で、かつopen accessをメインに)
文章の流れ
論文読み:測定値を有効利用できる機械学習パイプライン [Experimental design for the highly accurate prediction of material properties using descriptors obtained by measurement]
本記事は、なんとなしに読んだマテリアルズインフォマティクス関連の論文、R. Tamura, et al. "Experimental design for the highly accurate prediction of material properties using descriptors obtained by measurement"(オープンアクセス)について、読書記録的にまとめた
もっとみるNishika 小説家になろう ブクマ数予測コンペ振り返り
2021/11/29まで、Nishikaで行われていたNLPテーブルコンペ、”小説家になろう ブクマ数予測 ~”伸びる”タイトルとは?~”に参加しました。以前参加したProbspaceの論文引用数予測コンペ時の知識で突撃しましたが、最終29位でフィニッシュ。銀メダルとはいえ上位とは大きな差を作ったまま終わりました。本記事では公開していただいた上位陣の解法を参考にしながら、コンペの振り返りをします
もっとみるM1 Mac (Big Sur)でBluetooth接続がうまくいかない問題の解決
M1 Macをなんとなく誘惑に駆られて買ったわけですが、Bluetooth接続がまあうまくいかない。(他は機械学習の環境構築ができないくらい)
症状(M1 Mac, Big Sur 11.5.2)
Mac側からBluetooth接続し、機器から”接続しました”的な音声案内。しかし、音声は機器から聞こえてこず、すぐに未接続の状態に戻ってしまう。(特によく使っているAfterShokzでは、接続の
夢の新磁石 L1₀-FeNi磁石, part 4
このシリーズでは、ネオジム磁石の圧倒的地位を奪う新しい磁石、その候補のL1₀-FeNiを紹介してきました。前回では、L1₀-FeNiを合成するための様々な試みについて述べました。本稿では、2017年に(株)デンソー、東北大が発表したNITE法という、今現在もっとも有望な合成手法について、その課題(と思われる点)について述べたいと思います。最終回です。
(以下、磁力を出しやすい、という怪しい表現
夢の新磁石 L1₀-FeNi磁石, part 3
L1₀-FeNi磁石についての紹介記事のつづきです。前回では、L1₀-FeNiの発見の経緯とその作製の困難さについて書きました。本記事では、現実的な手法でL1₀-FeNiを再現するため、提案された手法について時系列的に雑にどんどん紹介していきます。長いです。
最初にL1₀-FeNiについて報告した1964年のL. Néel, J. Pauleveらの論文のサイトに行き、引用している論文の一覧
夢の新磁石 L1₀-FeNi磁石, part 2
この記事では、引き続きL1₀-FeNi磁石について紹介します。L1₀-FeNi磁石の発見の経緯と作製の困難さについて書きます。
どうやって作るの? そもそもL1₀-FeNi磁石は、ただ鉄(Fe)とニッケル(Ni)を混ぜただけではできません。単純に溶かして混ぜただけでは、冷える頃にはFeとNiは大部分が分離してしまいます。磁石として能力を発揮するためには、FeとNiが原子レベルでちゃんと混ざり、
夢の新磁石 L1₀-FeNi磁石, part 1
磁石といえばネオジム磁石!ではありますが、、そんな世を打破すべく、磁石研究者たちは日夜あたらしい磁石材料の研究を行っています。本記事ではそんな新規な磁石材料の中から、ひとつピックアップして紹介していきます。
この記事では、L1₀-FeNi磁石について、概要と良いところを紹介します。磁石として上手く作ることができているのが一つのグループ(デンソー)のみなので、自然と内容はその発表資料に沿ったもの
ProbSpace 論文の被引用数予測コンペ反省メモ
ProbSpaceにて開催された、論文被引用数コンペティションに参加しました。いま公開されている上位陣の回答を読んで、我が身を振り返りながら、反省点、なるほどポイントを書き連ねていきます。
概要と目的変数の設定 今回のコンペは、Arxivに投稿されている論文の各種情報から、その論文の被引用数を予測するというものでした。特筆すべきポイントは、以下の2点。
(a) 与えられた訓練データのうち、ラベ