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「親の死から学ぶこと」_セカンドライフ

死とは「別れ」を意味するだけでなく、死を以って「教えを授かる」という意味もあります。

親の死に立ち会えた方、間に合わなかった方、人それぞれだと思いますが、最期の瞬間に立ち会えると、親から最期の学びをたくさん頂くことができます。

1.死に水を取るということ

私は母と反りが合わず、死を迎える瞬間まで深い話はあまりしたこともなく、どんな考えで生きてきたかすら聞いたことはありませんでした。
 
正直申し上げれば、このことは心残りがあります。

しかし、母が最後の吐息をする瞬間を見届けたことで、その心残りを払拭する以上に、大きな教えを母から貰うことができたのです。

2.人が最期の瞬間、必ずすること

母の最期の教えとは
「あぁ この世を去る瞬間に、どんな人でも帳尻合わせをして逝くんだなぁ」という事です。

人は、亡くなる瞬間に必ずすることがあります。

それは最期の一息を吸って、静かに息を吐くことです。
この瞬間。。人生でもっとも重要な帳尻合わせをすることになります。

3.人生の帳尻合わせとは何か

人は、様々な幸せや不幸成功や失敗を経験し、その都度問題を解決したり、諦めたり、喜んだりして帳尻を合わせをして生きています。

私も、そのつど都度が帳尻合わせだと思って生きてきました。
 
しかし母の死の瞬間に立ち会って、最期の息を吐く瞬間。。。

どう思って逝くかが本当の帳尻合わせなのではないかと考え始めたのです。

最期の吐息をしながら、、、、
「あぁ 楽しかったなぁ」「こんな筈じゃなかったけど、まぁいいっかぁ」
っと思えれば、幸せな帳尻合わせです。

「あぁ こんなはずじゃなかった。なんでこうなっちゃったんだろう?」
っと思えば、後悔の帳尻合わせです。

そう考えると、日々の生活で起こったことに一喜一憂するなど、暫くすれば忘却の彼方。

そんな幸福や不幸をより、最期の瞬間にどう思って逝くかが大事なのではないかと思い始めたのです。 

4.スティーブジョブズの「Connecting the Dots」の本当の意味


アップルの創始者、スティーブ・ジョブズが残した名言があります。

 Connecting the Dots です。

意味は、

自分がやったこと、できたこと、できなかったこと、恥をかいたこと。

これらを、すべて一つの点と捉えて線で繋いでいくと、将来にやるべきことが見えてくる。

だから、過去をムダにするなと説いています。

ジョブズは、きっと
「点と点を結んだ先を見据えて、死を迎える瞬間までやり切っているか?」
と我々に問うているのではないでしょうか?

5.戒名をつける意味

 
日本には戒名という仕来りがあります。

母が亡くなって、和尚様とかなり長い時間、お話する機会があり、母親の人となり、やったこと、できたこと、悩んでいたことなど事細かに聞かれました。

私の母は現状に満足せず、もっともっとという生き方で、よく言えばアグレッシブでポジティブと言えばますが、反面、常に無い物ねだりと言える人でした。
 
それを聞いた和尚は、「『知足院』という戒名にしましょう」
とご提案を頂きました。

意味は、

今、足元にある幸せを知る。
つまり「足りるを知る」という意味で、これを仏教用語で「知足」と言うんだそうです。

毎朝、仏壇に手を合わせると、否が応でも位牌の「知足院」という文字が目に入ってきます。

私は、毎朝「あぁ 今ある自分に感謝して、足元にある幸せを知り、感謝しないといけないなぁ」と思って家を出て行きます。

つまり死して尚、親に教えられているということですよね。
 
さて私の死後 
息子達は和尚様に、私がどんな人間だったのかを、どのように伝え、どんな戒名になるのか?あの世からしっかり見定めておかねば 笑

死して尚、評価査定を気にするサラリーマン気質が染みついているのかな? 

これじゃ成仏できそうもないですね。
 

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