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「お客様への貢献が、気づいたら自社の利益優先になってしまった」の話。正しい仕事術とは。

どんな企業でも、理念やミッションは、
「お客様に、安心・安全・喜びを提供し成長を目指す。。。」
というような文言があります。

なかにはこのような理念を掲げながら、本音は自社の利益を優先している企業もありますが、多くの企業は顧客への貢献を大事にしていると思います。

しかし、たとえ顧客への貢献を第一に考えている企業でも、知らない間に自社の利益優先になっていることに気づかず、経営している企業も多く見られます。

今日は、「顧客への貢献」からブレない経営をすることが、いかに難しいかについてお話しようと思います。

1.最初は顧客に貢献して成長を目指している筈がブレていく理由

私の知人のA氏は、都内に何件もアパートを経営しています。

A氏は、時々アパートを回り

機会があれば入居者と話したり、
不動産屋と一緒に、入居希望者を面談して要望や条件について話合ったり、

いつも顧客(入居者)に喜んで貰おうと考えていた人でした。

時々A氏と会うと、よく入居者の話をしていたので、顧客を大事にする人なんだなぁと思っていました。

2.顧客へのサービス向上を考えているつもりが、知らない間に利益優先になっていくプロセス

ところが、あるときから入居者の話は殆どすることがなくなり、出てくる話はTVやインターネット回線の管理会社の話や、電気、ガスなどを一括管理するサービス会社の話ばかりするようになってきました。

A氏によると、ライフラインを一括で管理する会社に任せると、

「電気代は、安くなるそうだから入居者にとっていいことだ」

「インターネット回線も、TV回線も一括でできるから、入居者は喜ぶ筈」


っとのことだったのですが、その後にでてきたA氏の言葉に引っかかりました。

「それにさ。。管理会社からロイヤリティーも貰えるんだ」

この当たりから、なんだか怪しいムードを感じたのですが、それで話は終わりました。

3.変化を自分の目で確かめないと、顧客が離れていく悲劇


暫くしてA氏に会ったら、私の不安が的中していました。

A氏曰く
最近 空部屋が増えてきたので、仲介不動産業者を通じて入居者の意見を聞いたところ、次のような話がでてきてA氏は絶句したそうです。

●管理会社から電気、ガス、ネット契約について、それぞれ何度も同じような説明や手続きを要求されて嫌になった。

●入居時に聞いた話では、電気代、ガス代は普通の電力・ガス会社より安くなると聞いていたが、実際には光熱費が高い。話が違う。

●とにかく手続きが面倒くさい。契約更新が面倒くさい

つまり、A氏が入居者に良かれて思ってやった事が、裏目になっていたということです。

4.誰がお客様なのか?注意深く見ないとブレていく

後に、A氏さんはとても大切なことを教えてくれました。

「飯田さん。私は入居者に良かれと思ってやり始めたことなんだけど、結局、最期はロイヤリティを営業外利益に組み込んだ当たりから、利益しか考えなくなっていた」

「そうなると、私の顧客は入居者だった筈が、いつの間にか管理会社が顧客に変わってしまった。」

「つまり、私にとっては顧客不在となった。」

「その上、その偽顧客からロイヤリティー貰って喜んでいたんだから、利益優先になっちゃうよね」

「お金は怖いよねぇ。。。人の心を惑わす。。。」

この示唆は、とても重いことです。

著名な経営学者ピータードラッカーは、利益について明確な答えを教えてくれています。

要約すると、
利益は、目的でなく手段である、
利益は、事業継続と社会に貢献するために再投資される原資であり、
その結果、企業は継続経営できることになる。

利益を目的にしてしまうと、A氏のようなケースになってしまいます。

継続経営するためには、やはり常にドラッカーの5つの質問を自問自答する必要がありますよね。

第1の質問 われわれのミッションは何か
第2の質問 われわれの顧客は誰か
第3の質問 顧客にとっての価値は何か
第4の質問 われわれの成果は何か
第5の質問 われわれの計画は何か

皆さんはいかがお考えでしょうか?



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