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成果をあげるリーダーとは、メンバーと一緒に学べる「正しいフレームワーク」を創れる人。

組織で成果をあげるには、メンバーのモチベーションを上げ、維持しなければ出来ません。

しかし、これは簡単なことではなく、リーダーにとって一番ストレスを感じることではないでしょうか?

たとえ人と関わる事が得意でない人であっても、リーダーとなれば組織はメンバーを束ねて成果を上げることを要求してきます。

今日は、こういった状況になったとき、どのようにメンバーのモチベーションを上げて成果をあげるのかについてお話します。

1.メンバーのモチベーションを上げるためのマネジメントとは

いきなり核心に入りますが、エイミー・C・エドモンドソン氏の著書『チームが機能するとはどういうことか』に面白い事例がありましたので、ご紹介します。

心臓手術の新らたな技術(MICS)を導入にするあたり、2つの病院の取り組み方を事例として挙げています。

2つの病院のリーダー(医師)が示した対照的なフレームワークは、メンバーと目的目標を共有することが、いかに大切かを教えてくれます。

【病院Aの場合】
外科医 は 新しい 技術 に対する 自信 が 増し て いく こと を 何度 も 言葉 に し て 述べ、 また メンバー たち は この 方法 が 大いに 患者 の ため に なる という 信念 を 共有 し て い た。 

ある 看護師 は 目 を 輝か せ て こう 述べ た。「 MICS を する こと に なる たび 自分 の 知識 が たしかに なっ て いる のを 実感 し ます。 

患者 さん たち が 早く 快復 する のを 見 られる ん です。

 本当に やりがい の ある 経験 です。 

メンバー に 選ば れ た こと を 心から 感謝 し て い ます」

病院Bの場合】
 心臓 手術 の リーダー が MICS を 行う こと に し た のは、 本人 曰く「 マーケティング の 一環 として、 われわれ が この 手術 を 行える こと を 世間 に 知っ て もらい たい」 から だ と いう。 

メンバー の 中 には、 リーダー が MICS を 行う のは 単に イメージ を よく する ため だ と 思っ て いる 人 も い た。

「 ほか の 病院 と 対等 で い たかっ た の です」 と 述べる 看護師 も い た。


エイミー・C・エドモンドソン. チームが機能するとはどういうことか ― 英治出版株式会社

この違いはなんでしょうか?

病院Aの目的は、患者への貢献です。
そのために、メンバー全員がMICSという新技術を「学習」というフレームワークで以下の問題に挑んみました。

・自分たちは、なぜMICSに取り組むのか?
・そのためには何を学ぶのか?
・自分達に欠けていることは何?で、どうやって満たすのか?

病院Bの目的は、病院のブランディングです
MICSという新技術を「ブランディング」というフレームワークで、病院と医師の自己承認欲求を満たすため、トップダウンでマネジメントする考え方です。

つまり医師がリーダーであり、看護師やスタッフは部下となって、上意下達のトップダウンのマネジメントをしていました。

これを見ると、リーダーが創るフレームワーク次第で、メンバーの関わり方が大きく違ってくることが分かります。

このことは、企業においても同じようなことが起こります。

理念では、「顧客への貢献」と謳っておきながら、やっていることは自社のプレゼンスや利益ばかり追いかけ、社員は逆らうわけにもいかず疲弊しきっている企業を見かけますが、これは病院Bの状況と同じです。

2.正しいフレームワークは、正しい対立を生みます。

どんな組織でも、プロジェクトを進めると、上司と部下やメンバー同士で対立や諍いを生じます。

皆違う考え方や、違う能力・スキルを持っているのですから、これは避けられないことです。

さきほどの病院Aと病院Bでも、上司とメンバー、メンバー同士の対立があったそうですが、同じ対立があっても見えてくる景色は随分違っていました。

病院Aのフレームワークは、患者への貢献を果たすために「学習」する場として位置付けているので、生じる対立や諍い(いさかい)は解決すべき問題に視点を置いたものになります。

これに対して病院Bのフレームワークは、ブランディングです。
ある意味、病院や医師の自己承認欲求を満たすために、トップダウンでMICSの習得に取り組んでいました。

ここで生まれる対立は、問題解決に視点を置いたものではなく、医師と看護師、看護師同士の個人的な感情から生まれる対立や諍いになっていきます。

正しい対立とは、成果に繋がる問題に視点を置き、メンバー全員の学習から生まれた対立であるべきです。

そのような対立は、焦点を当てているのは人ではなく問題であるので、問題が解決されれば蟠り(わだかまり)は簡単に払拭できます。

それには、リーダーが創るフレームワークは「作業のフレームワーク」ではなく、自らも含めメンバー全員で学習しながら成長し成果を得る「学習フレームワーク」を創る必要があります。

皆さんはいかがお考えでしょうか?





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