「許される失敗」と「許されない失敗」の違いの話。
ビジネスには、許される失敗と、許されない失敗があります。
マネージャーはここを理解しておかないと、成果をあげられないどころか、組織が崩壊することになりかねません。
今日は失敗をどう扱うかについてお話しします。
1.人が失敗すると、どんな行動を起こすのか?
よく失敗は成功の元、失敗から学び、成功に繋げればいいと言われます。
しかし実際には、
マネージャーが、再発防止の指導していたつもりがいつの間にか叱責に変わることがあります。
失敗した人は、失敗を学習の機会と捉えるより、自分の評価が悪くなると考えて隠そうとします。
他人の失敗に気づいた人は、失敗を指摘すると人間関係が悪化することを恐れて、知らぬ顔をしてしまうことがあります。
こんなことでは学習となるはずの失敗が、何も学ばないどころか、後で取り返しのつかない最悪の状況を招くことになってしまいます。
では、そうならないようにするには、どうしたらよいでしょうか?
2.失敗には、どんなものがあるのだろう?
ビジネスの失敗について、面白い分析があったのでご紹介します。
この分析は、『チームが機能するとはどういうことか』エイミー・C・エドモンドソン著 英治出版(株)にあったものですが、失敗を9つに分類した大変興味深い分析です。
これを見ると、以下のように許される失敗と、許されない失敗の2つに分けることができます。
1)逸脱 2)不注意から生まれた失敗は許すべきではありません。この失敗には毅然と信賞必罰を与えるべきです。そうしないと組織の崩壊に繋がってしまうからです。
3)能力不足 4)プロセスの不備 5)困難な仕事は、メンバーの教育やグループディスカッションさえしっかりできれば「失敗は成功の元」になります。
6)プロセスの複雑さ 7)不確実性 8)仮説の検証 9)探査実験から起こった失敗こそ、ビジネスにとっては「学習の機会」であり、「イノベーションの機会」となります。つまりもっとも大きな「失敗は成功の元」です。
ここで注目すべき失敗は、3)から9)の失敗で、マネジメント次第で成果に繋げられる失敗です。
次項は、ここからどうすれば成果に繋がる学習ができるのかについてお話します。
3.時系列の失敗観察こそ、「成果に繋がる失敗」であり、「イノベーションの種」の発見に繋がる手段
失敗とは、目的が達せられていない定点の状態を示す言葉です。
我々ビジネスマンが見なければならないことは、失敗にいたるまでの流れ(時系列)であり、それが分からなければ本質的な問題を見出すことができません。
特に5)困難な仕事 6)プロセスの複雑さ 7)不確実性 8)仮説の検証 9)探査実験は、さまざまな変化に対する行動で、結果を時系列に分析しなければ、次の4つ学習の機会を逃すことになります。
例えば、
この4つの学習は、イノベーションを起こすためのトリガーとなるものです。
これを見過ごすことは、みすみす大きな成果を手に入れられるのに、自ら捨てているようなものです。
では、4つの学習をどうやってやるのかについてお話します。
4.4つの学習を効率よく行う方法は「ロジラテ思考」マネジメントです。
前回の記事でも紹介していますが、まずはメンバーから上がった情報や、客先、市場から手に入れた状況を時系列に記録し、毎日俯瞰することが変化に対して敏感になることができます。
何か情報が入ったら、What、Why、Howに分解し、UXノート(下図)に落とし込みます。
このWhat、Why、Howを下図のUXノートに時系列に記録していくと、失敗や問題の中から、やがてイノベーションの種が見つかります。
ここまでできれば、失敗が学習となり「失敗は成功の元」にすることができます。
【UXノート】
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必ず参考になると思います。