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「直感」で判断する人が成功しない理由_脳科学でマネジメントを見ると面白いことが分かります。

直感で、人にレッテルを貼ったり、物事を判断してしまうことがよくあります。

「あの人の考え方では、とても仕事ができると思えない。」

「このマーケットは将来性がないので、やめておこう」

「今は、この案件に手を出すべきではないと思う」

最近ではリモートで一度も会ったこともないのに、親しく話す人、そうでない人もいます。

人は、いちどレッテルを貼ってしまうと、それを張り替えることはまずありません。

今日は、そうなってしまう理由と、そうならないようにする方法について脳科学を使ってお話したいと思います。

1.脳は、自分の「直感」を無意識に使って「正しい判断」に置き換えようとする。


人間の脳は、自分の直感と現実が異なると、自分を納得させるために自分自身を騙そうする特性があるそうです。

例えば、自分が出した企画が通らないと、下図のように

「ちぇ! どうせ彼らは俺の企画の素晴らしさが分からないんだ」

「彼らは、マーケットを知らない!」


というように、拒否された理由を「彼らはマーケットを知らない」にすり替えて、整合を取ろうとします。

これを脳科学では、「認知性不協和」の解消といいます。


これからすると、今自分が正しいと思っていることがちょっと怪しくなってきます。

例えば
「この業績は、自分がやったことだ。」

「いま、この事業に参入しないと、後から入れなくなる」

「A君は、指示を理解できていないので、いつも行動が遅い」

というように、時系列に記録した証拠もなしに、記憶や印象だけで判断していると、現実をねじ曲げて記憶しているかもしれません。

もうひとつ、脳にはやっかいな特性があります。
それは、自分の都合の悪いことは解釈を変えて、自分にとって都合のよいことに置き換えてしまうことです。

以下の心理学の実験は、『ふろむだ. 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている .ダイヤモンド社』から抜粋したものですが、興味深い実験なので、ご紹介します。

心理 学者 の ポール・スロビック の チーム は、 次 の よう な 実験 を 行なっ た。

まず、 被験者 に、 次 の よう な 技術 について、「 個人的 好き嫌い」 を 答え て もらっ た。 

・水道 水 への フッ素 添加 ・化学 プラント
・食品 防腐剤 
・自動車


次に、 それぞれ の メリット と リスク を 書き出し て もらっ た。


『ふろむだ. 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている .ダイヤモンド社』

ご覧のように人間の脳は、次のように考えようとします。
・小さいリスクのものは好き
 =リスクの小さいものは好き

・小さいリスクのものは、メリットが大きい
 =メリットの大きいものは、リスクが小さい。

つまり直感でものごとを判断すると、脳は次のようなことを考えて、あなたをコントロールしてしまうのです。

・「好き」=「都合のよいこと」は、リスクが少ないと思う。

・「メリットの大きい」=「都合のよいこと」は、リスクが少ないと思う。

・「都合の悪いこと」は、現実を書き換えて「整合」を取る。

しかも、無意識にコントロールされているので、全て正しいこととして認識してしまいます。

恐ろしい。。。。。

3.正しい判断をするためには、時系列に事実を記録を取ること


人は、どうしても好き嫌いで判断したくなります。

その理由は、非常にシンプルです。
「面倒くさくないからです!」

脳が「認知性不協和」でごまかして整合をとり、「感情ヒューリスティック」で正しい判断したと思い込ませて、それがたまたま上手くいったら

周囲から

「あの人は、意思決定が早い人だ」
「あの人は、スマートに成果を上げる人だと」

と錯覚してくれます。

しかし、上手くいかなくなった途端に

「あの人は、軽薄短小な人だ」

というレッテルを貼られることになります。

ビジネスですから、100%成功するなんてことはありませんが、たとえ失敗しても、ちゃんと評価される方が良いに決まっています。

その方法は、ただ1つです。

ロジラテ思考でWhat~Howを時系列に記録して、実践を繰り返すことです。

What(現状把握)  何が起こったのかを、客観的に記録する

Why(仮説設定)  何故それが起こったのか、直感を交えて仮説を立てる

Why(課題設定)  解決しなくてはならない問題を見出し、課題に据える 

How(戦術設定)  課題を解決するための戦術立て、実践する。

これを実践すれば、「認知的不協和」「感情ヒューリスティック」の罠に陥ることはなくなります。

皆さんはいかがお考えでしょうか?


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