12シトライアル第二章 アンカー番号12番part25
第四十三話 体育祭は回転に始まるⅡ
レース前の会話とは程遠い様相を為したレースになっている。桃子はそれこそ目にも留まらぬほど、誰も追いつけないくらいのスピードでネットを潜り抜け、一本橋を走り抜け、麻袋で着実に進んで行った。
(え?!ちょっと桃子ちゃん速すぎじゃない?!ホントに同じ人間?!流石にあれは勝てる気が…)
俺から見ても、三位に圧倒的な差をつけて独走している由香里でさえ、一位の桃子との差は歴然であった。どうしたら同じ高校生の障害走でここまでの差が生まれるのだろうか。