旅の記憶 1995・春 上海〜西寧 車窓から
29年前の春
僕たちは上海から西寧に向かっていた
船旅を終えてすぐの火車旅
西へ西へと移動している感覚が
僕は好きだった
僕が陸路にこだわったのは
この感覚が実感できるからだった
飛行機だとあっという間に着く距離も
こうして陸路で時間をかけると
地球の大きさを
実感できる気がした
地図で見る中国大陸の広さを
体感として実感したかったのだ
本当は自転車で旅をしたかったが
そこまでの行動力がこの時はなかった
僕は今50歳になったが
最近人生でやり残したことは
なんだろうと考える
1番やりたくてできなかったことって
世界を自転車で回らなかったことかな
と思うようになっている
ただ、当時の中国は
外国人が自由に自転車で旅をすることは
難しかったのも事実だ
もちろん旅している人が
いなかったわけではない
YouTubeなんかで検索すると
自転車で世界一周をしている人が
今もたくさんいる
欧米の方だと
60代や70代で旅している人の
動画も出てくる
とても羨ましいなと思いながら
僕にはもうチャンスはないのだろうか
なんて子供のように考えてしまう自分がいる
時間も体力も予算もないけれど
真似事ぐらいはしてみたいなと
昔乗っていた自転車を引っ張り出して
近場のキャンプくらいを
楽しもうかななんて思ってる
話がそれたけど
旅の記憶はまだ続きます
続く
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