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⚾️情熱が、心地よい環境を作り出す。

 似たような情熱をもつ者同士が集まれば、たとえ最終目標と着地点がそれぞれ異なっても、有意義な活動が行える。とある社会人野球のクラブチームに所属する選手から話を聞いて感じた。

 彼の所属する千曲川硬式野球クラブは、先日行われた全日本クラブ野球選手権大会に出場し、見事準優勝を飾った。この大会は、クラブチームの日本一はもちろん、社会人野球日本選手権大会の出場権を得る重要な大会だ。一年目にして全国大会まで進んだことに、とても嬉しく思った。

 新天地で活動する姿は、生き生きとしている。大学時代はどこか強張った印象が強かったが、今は表情が柔らかい。自分の思う野球ができているのだろうなと、その姿を見て思う。本人が咲ける場所へ行けたことに、安堵の気持ちだった。


「なんか明るくなったね」


ざっくりと言葉を投げかけると、次のようにかえってきた。


「同じ熱っていうんですかね、みんな一生懸命なんですよ。だから今の環境がとてもやりやすい。仕事終わってからも、みんな室内練習場に集まるんです。人がたくさんいるから競争も激しくて。ありがたいことに試合にも出させてもらって、試合にでるからこその悩みができた。出ていないと、そこにもたどり着かないですから、今本当に充実しています」


 社会人になっても野球をやるという選択をする。仕事をしながらわざわざ。プロ野球選手を目指したい、ライフワークとして本気で野球に取り組みたい、いずれは指導者になりたい。それぞれ色々な理由があるだろう。自身の人生を豊かにするために続けるのだから、個々の情熱は凄まじい。だからきっと、今の環境が心地良いのだろう。


 最終着地点がそれぞれあっても、チームの目標は合致している。社会人野球クラブ選手権での優勝。社会人野球日本選手権、都市対抗野球の出場ひいては優勝。方向性が定まっているから、各々の将来的なビジョンが異なっても統率がとれるのだ。本気で野球をやりたいという思いが同じだから。一生懸命やりたくないという人は、社会人まで野球をやるという選択をしないし、仮に選んでも淘汰される。そして、いずれやめることになる。


熱意の差がもたらすもの

 社会人野球では『とりあえず続ける』という選択が少ないように思う。企業で続けられる選手は一握りであるし、当然ではある。クラブチームに所属するにも、仕事との両立は必須だ。そうなると、明確な目標がない限り難しい。大学野球も本来はそうだった。しかし、全入時代となった今『とりあえず続ける』という層が増えたように思う。チームや学校の特色もあるが、その『とりあえず』の人間と熱を持っている人間とで意識の差が生まれ、いずれ溝が深まる。そうすると、チームの統率を図るのは難しい。共通目標があったとしても、自分事として捉えることができないからだ。熱意の差は、選手のモチベーションにも反映される。


やる気のある人と、ない人の差が激しい。


 情熱をもって野球をしたいのにという、ストレスから解放されたのは彼にとって大きな出来事だっただろう。
 自分で適切な環境を選ぶ。生きていく上で、大切なことだ。


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 仕事においても同じことがいえると思った。自分は将来どうなりたいのだろう。数年後のビジョンを問われて、どれだけの人がすらすらいえるか。ありがたいことに、私には目標がある。そのために今、何をしなければならないのかを日々模索している。

 それぞれの目標は異なっても、共通認識があればチームは強くなる。仕事でも同様で、過程や手法は異なっても、目標達成しようとする気持ちは同じだ。だから組織は成り立っている。誰か一人でも手を抜けば、歯車が狂う。もしくは、本人だけが淘汰される。一見シビアな世界に見えるけれど、これが当たり前なのだろう。

 一生懸命やっても、すぐに結果に表れないことはよくある。それでも食らいつけというのは酷だけれど、やらなければ何も変わらない。やり抜いた人にだけ見える世界があるのだと、今回の出来事を通して学んだ。まだまだ私も、腐ってはいられない。

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