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編集日誌①北欧語翻訳者、出版社をはじめる

 北欧語翻訳者の枇谷(田中)玲子です。これまでに70冊強の北欧の作品を日本語に翻訳してきました。
  デビュー以来、ありがたいことにコンスタントに翻訳のお仕事をいただけ、『キュッパのはくぶつかん』(オーシル・カンスタ・ヨンセン作、福音館書店)、『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』(イルセ・サン作、ディスカヴァー・トゥエンティワン)をはじめ、スマッシュヒットにも何作か恵まれてきました。

 それなのに、なぜか本を訳せる喜び以上に、このまま翻訳の仕事を続けていけるのかという不安がどんどん膨らんでいきました。どうしてそんな風になってしまったのかは、『北欧フェミニズム入門』という同人誌にまとめています。

 現状を変えたい、別の目線から出版翻訳を見つめ直してみたいという思いから、2021年8月に出版社合同会社子ども時代を設立(これから出版社を作ってみたいという翻訳者の方へ。法人化は必ずしも必要ないのかもしれません。まだ私の中でも答えは出ていないのですが、税申告の大変さを思うと、法人化しない方がよかったかもしれないと今は思っています。ただ法人でなくても、版権を取得できるのかなどについては、現状、私もはっきりとした答えは持っていません。ご存知の方がいらしたら匿名でもよいので記事にコメントいただけると嬉しいです)。創業に当たり、業界紙の新文化さんにありがたいことにインタビュー記事をご掲載いただきました。

https://www.fujisan.co.jp/product/1281679601/b/2274194/

 子ども時代の第一弾刊行作として2022年6月に『デジタルおしゃぶりを外せない子どもたち』というデンマークの育児書を発売。

 著者とオンラインでのイベントなども行いました。

 また銀座ナルニア国さんのご厚意で、本のイベントも行っていただきました。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=696345972302989&id=100057827763167&set=a.509045957699659&locale=be_BY
 またHugKumさんや SBC信越放送モーニングワイドラジオさん、BOOKウォッチさんなどで取り上げていただきました。

https://koutensha.co.jp/2343/

https://books.j-cast.com/topics/2022/06/18018407.html

 群像 2023年4月号、 子どもの本棚 2022年11月号、YAA!YAA!YAA! 23号、 小説すばる 2022年4月号に寄稿も行いましたが、利益が出るまでにはまだもう一歩のところです。

 ですが、これまで翻訳者としての活動では見えてこなかったことがたくさん見えてきました。

 そして2024年の秋頃(12月にもしかしたらなってしまうかもしれません)刊行予定の『カレン・ブリクセン/イサク・ディーネセンについての小さな本』の刊行を前に、本作りの舞台裏、また出版社という立場になって、分かったことなどを書いていきたいと思います。できるだけ、一人出版社をはじめてみたい方、また翻訳者という仕事の未来について考えたい方にとって有益な情報を提供できるよう頑張ります。

 『カレン・ブリクセン/イサク・ディーネセンについての小さな本』もどうか応援の程、お願いいたします!


                        2024年6月6日
                      北欧専門出版社子ども時代
                       北欧語翻訳者
                        枇谷(田中)玲子


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