故郷はずっと故郷だった話
小学校、中学校が一緒で、高校は別で、大学でまた一緒になった友達がいる。
部活は別だったし、家も遠かったけど、なぜか小さい頃から仲が良くて、大学時代はよく一緒に飲みにいっていた。二人で朝までカラオケに行ったこともあった。
俺が大学を留年した年に、その友達は大学を辞めた。
実家に帰って家業の漁師を継ぐことにしたからだった。
それから毎年のように、牡蠣や帆立などの海の幸を送ってくれている。
もちろん心ばかりのお礼は返してはいるけれど、それでもこっちが申し訳なくなるくらいに送られて