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「なんでやってくれないの〜!?」

これは、子どもに関わる多くの人が感じていることではないでしょうか?

理由は沢山あると思いますが、一番は「大人がやって欲しいこと」と「こどもがやりたいこと」にギャップがあるからです。

そこで今回は、私がこどもとセッションでしている方法をご紹介します。

こどもはやりたいことをする存在

大人はこの子の将来にとって困るかもしれないから、できることが増えるように、お手伝いしたいなぁと思って関わります。
つまり大人は、未来志向型。

でも、こどもは今が全て。未来のことなんて考えていません。

そのため、未来志向型である大人の「やってほしいこと」と子どもの「やりたいこと」にギャップが生まれてしまいます。

「じゃあどうすんねん!」てなりますよね。

大丈夫です。なんにでも方法はあります。

こどもセラピィの中では「楽しい」がメインになります。身体に働きかけたり、お子さんがどんなことに達成感を感じられるかを考えながら関わっていきます。

こどものしたいこと、やりたいことを、事前の情報収集や、実際に関わる中で感覚面・認知面・行動面・生活履歴から分析していきながら「あ、これだったらやりたいって思ってくれそう」という遊びに、こどもがこれから必要になりそうな要素を組み入れていきます。

つまり、こちらの狙いをこどもの「やりたい」に沿わせてきます。
みんな幸せ、しめしめです。

実践パート(具体例)

例えば、ブランコが嫌いなお子さんがいたとします。
運動よりも細かい遊びのほうが好き。苦手なことはやんないよ〜とそんな感じ。そしてよくこける。

ブランコに乗れないお子さんによくあるのは、姿勢が崩れやすいダイナミックな遊びが苦手なこと。自信もなさそうで、こまごました遊びが好きなこと。でもそんなに器用でもない。どちらかと言えば消極的に、こまごました遊びに定着してしまった印象。

揺れることは嫌いじゃないのだけれど、それに対して姿勢がとれないので逃げだします。でもその子はままごとが大好き。お母さんも大好き。

じゃあ、それをブランコの上でやってみたらどうかな?という思考になります。段階も踏みます。

①最初はブランコを地面において、ブランコの上、揺れない中でおままごとをするようにします。ここで使用するブランコは、楽しくあそんでそれで終わり。案外ブランコもいいやんと思ってもらいます。
②次に、おままごとはブランコの上でするものという意識をしてもらうように繰り返していきます。
③そのうち遊びに来ては「おままごとする」といって自分からブランコの上にいくようになります(笑)
④ブランコも少し浮かした状態にして、でもセラピストがブランコの揺れを止めておきます。たまに傾けたりする程度で、こどもが姿勢をうまくとれるように調整しておきます。(このころにはセラピストとも関係ができているので、ちょっと怒るくらいですみます笑→謝り倒せば許してくれます笑)
⑤すこし強めに揺らすこともはじめます。ただ揺れるだけではなく、良くやる手段としては、おままごとでつくった料理をお母さんに届けよう。と姿勢をセラピストが保障したなかで、こどもにとっての「目的」をこちらで設定してあげた上で、大好きなお母さんに料理を届ける設定です。
⑥もともと揺れ自体は好きなのと、揺れに対する恐怖が減ってきているので、それ自体を楽しめるようになってきます。この頃には姿勢の調整もうまくなっています。足下への注目も増え、こけることが減ってきます。自信もついて、誇らしげです。

まとめ

こんな風に、こどもにとっての好きな物と「目的」をうまくマッチさせてあげることで、うまくいくことがあるかもしれません。

遊びを提供する側のアイディアが必要になってきますが、繰り返ししていたら慣れます。大丈夫です。

ポイントは「こどもの好き」に合わせることです。

日々の中で、こんなにダイナミックな方法はとれないことも多いと思いますが、こんな「思考の仕方」は日々の生活の「なんでやってくれないの〜!?」にも応用できると思いますので是非活用してみてくださいね。

あなたのわくわくが満たされますように。

それでは、また明日。


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