見出し画像

ほどなく、お別れです

読んだ本の紹介

出版社:小学館
発売日:2018年12月18日
単行本:222ページ

出版社:小学館
発売日:2020年2月27日
単行本:270ページ

出版社:小学館
発売日:2022年7月22日
単行本:272ページ

本シリーズの内容:読んだ人すべての心を温かく包み込む“お葬式小説”

この本を読んだ理由

私の年齢だとお祝いより、弔いの数が断然多くなります。数多くの葬式に
出るのですが、今の状況での葬儀に興味がありました。

あらすじ

大学生の清水美空は、東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトをしている。坂東会館には、僧侶の里見と組んで、訳ありの葬儀ばかり担当する漆原という男性スタッフがいた。漆原は、美空に里見と同様の“ある能力”があることに目を付け、自分の担当する葬儀を手伝うよう命じる。漆原は美空をはじめとするスタッフには毒舌だが、亡くなった人と、遺族の思いを繋ごうと心を尽くす葬祭ディレクターだった。

Amazon

清水美空は、スカイツリー付近の葬儀場「坂東会館」に勤めて1年目の新社会人。生まれる前に姉を事故で亡くしているが、その姉に見守られるように生きてきた美空は、他人の感情が伝わってきたり、思念を感じ取ったりと、“気”に敏感な体質をしている。そんな美空の上司・漆原が担当するのは、故人が事故や自殺で亡くなってしまった、いわゆる訳ありの葬儀。ご遺族の悲しみも深く、いかに寄り添った葬儀ができるかが重要となるが、漆原に厳しく、時に優しく指導されながら、邁進する日々を送る。雪も解けない寒い日が続いていたあるとき、美空は仕事帰りに立ち寄った商業ビルの中で、高校時代の友人・夏海と偶然再会する。久しぶりの再会を喜ぶ2人だが、美空が葬儀場で働いているのを聞いた夏海は、急に思いつめた表情で「遺体がなくても、お葬式ってできるの?」と問う。彼女の兄は6年ほど前、海難事故で行方不明になっていた――。(それぞれの灯火)

Amazon

清水美空は、スカイツリー近くの葬儀場「坂東会館」に務めている。訳ありの葬儀ばかりを担当する葬祭ディレクターの漆原のもとで、亡くなった人と遺族の気持ちに寄り添えるよう日々研鑽を積む毎日だ。入社して早二年、葬儀場の繁茂期である冬が訪れようとするころ、人員不足の現場に、大手葬儀場での勤務経験がある木暮千波が入社する。社長の甥でもある木暮は、坂東会館の現状に不満を漏らし、改革を断行しようとする。(思い出の箱)

Amazon

感想

一昔前だと葬儀に関わる仕事は縁起が悪いと嫌われる仕事の部類でした。それが映画「おくりびと」の反響も加わり、人が必ず通過しなければならない「死」と死んだ方の周囲が送り出すための必要な儀式を執り行う方として、今ではなくてはならないお仕事になりました。

自分が生まれる直前に姉が不慮の事故で亡くなるという不幸にあって、生まれたばかりの子供のために生きる温かい家庭のなかで育った主人公清水美空が、祖母を看取ったことで、あるバイト先だった葬儀場で働くことになったのは、私のような年齢からするとありがたいことです。

「死」と言っても年齢的に往生死が大半でしょうが、美空とその教育係漆原礼二が担当するような事故による即死、自死、特に子が先立つ死など、読んでいて家族や周囲の悲しみに、私自身も同調し、最後のお別れに思わず涙しました。

葬儀は区切りの儀式だと、漆原からは何度も聞かされてきた。葬儀を終えることで、気持ちの整理をつけ、ご遺族は次の一歩を踏み出そうとする。

揺蕩う心より

魂の帰還・・・死を受け入れることによって、より近くにその存在を認めることもできるのだ。形あるものだけが全てではない。

それぞれの灯火より

#シニア世代   #いなか暮らし #つぶやき #毎日note更新 #長月天音 #小学館 #読書感想文 #読書好きと繋がりたい   #canva



この記事が参加している募集

読書感想文

いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。