見出し画像

Fake the Deck (Quarter Deck twist)

※このnoteは当店のInstagramにアップしたカクテル解説になっています。

少し間が空いたけど、前回のカクテルnoteのお題は海外レシピの”Quarter Deck”でした。
今回はそのtwist…いや、これはhommageと言った方が正確かもしれない。それにしても手間取らされたなー。
まずはレシピ。

Fake the Deck
< shake / short >
ウォッカ (ラグジュアリークラスのもの)25ml
バーボン 10ml
パイナップルジュース 7.5ml
ビダーズ 1dash(先にグラスへドロップ)
粗めのグラッパ (無ければスタンダードクラスのウォッカ)~10ml
カンパリ 7.5ml
水 ~5ml
レモンorライム 5ml
シュガーシロップ ~1tsp(好みで省略しても可)

素材は影も形もなくした。強いて言えばシトラスの酸味くらいか。
今回はアドニスのツイストとして作った”Interlude”をさらに発展させて、全てをフェイクにした場合、どこまで再現性を高められるか?というのがコンセプト。
かなり頭捻って作ってみたけど、前述の通り、twistと呼ぶにはちょっとムリある気がする。

ビターズまででラムの、グラッパ~水まででシェリーのフェイク。
ポイントはウォッカと粗めのグラッパ。
ラムの再現にラグジュアリーウォッカというのは特有の香りを立たせることなく下支えさせるため。
グラッパがなぜ「粗め」かというと、舌に乗せた時のドライシェリーに僕が感じるザラついたニュアンスを出させたかった。それに原材料的にも葡萄由来のスピリッツの方が再現性が上がる気がするし、整合性も取れるから。
無ければスタンダードクラスのウォッカでも代用は利きます。グラッパの方がそれっぽく仕上がるように思うけど、用意しているお店はそんなに多くないだろうし。
ただ、共にウォッカとするならクラスは使い分けた方が良い。
もちろん、複数用意していないのであればどちらかでも可能。統一するならラグジュアリークラスをオススメします。

出来上がりのデザインはと言うと。
ラムはダークとホワイトの中間ぽく、シェリーはドライーいわゆるフィノタイプ、もっと言えばティオペペーの再現を目指した。
つまり海外と日本のミックスレシピ(日本レシピ寄り)にして美味しいとこ取りのイメージ。
そこにクラシックレシピ漁っていたら「ローズ社のライム・コーディアル使用」というのも見つけたので、シトラスにシュガーシロップ でそれっぽくしてみた。ローズ社のライム・コーディアル使ったことないけど。
これは好みによるし、パイナップルジュースのキャラクターにもよると思う。
ちなみに使った銘柄は以下の通り。

バーボン:オールドグランダッド
ラグジュアリーウォッカ:シロック
グラッパ:ガラッティ
ビダーズ:アンゴスチュラ
パイナップルジュース:順造選

ネームはもうまんまですね。
“Quarter Deck fake”じゃ長いし語感悪くて締まらないしでどうしようか?と考えていたら、頭取っちゃえばカッコつくのでは?っていう。で、ついでに逆転させたら語感がとても良くなった。文法的にもたぶんこっちで正解のはず。

今回も揃えられるアイテムのみのレシピなので、作ってみた方がいらしたらぜひ感想を頂きたいです。




この記事が参加している募集

もし、記事を読んでくれてお店の方が気になったら覗いてみてください。Instagram / FBもページがありますが、まずはオフィシャルHPを。 http://www.bar-tool.com/ サポートしていただけた場合はお店の運営に充てさせていただきます。