見出し画像

Queen Elizabeth

前回のカクテル、”Boston Tea Party”の元ネタです。

とりあえずレシピ。

Queen Elizabeth
<stir / cocktail glass>
コニャック 1
スウィートベルモット 1
オレンジブランデー 1dash
ガーニッシュ マラスキーノチェリー

最近の愛読書になりつつあるサヴォイカクテルブックに載っているものですが、それで手を出したわけではなく、インスタきっかけであります。
たまたま覗いたインスタのストーリーでなんか振られてる感あったから思わず乗っかってしまったのだ(先方にそのつもりはなかった模様)。

バーテンダー及び好事家諸氏は気づくかも知れませんが、キャロル(ブランデーマンハッタン)の変化系と言っていいでしょう。
キャロルのレシピは以下の通り。

Carol
<stir / cocktail glass>
コニャック 3
スウィートベルモット 1
アンゴスチュラビダーズ 1dash
ガーニッシュ パールオニオン

Queen Elizabethはこの比率とビダーズ、ガーニッシュを変更した構成ですね。

話は戻しますが、Queen Elizabethの構成、ちょっと不思議に思いませんか?
この名前で思い浮かぶのは間違いなく英国女王ですよね。にも関わらず英国由来のものは何一つ入っていない。
そもそも1st(1558~1603)なのか2nd(1952~)なのか。
サヴォイカクテルブック初版は1930年。
ならばこのカクテルはいつから載っているのか。
初版だとすれば1stのことだし、1952以降の掲載であれば2ndかもしれない。ついでに書くと、同名のカクテルはサヴォイカクテルブックにはもう1つ存在する。こちらのレシピは以下の通り。

Queen Elizabeth
<shake / cocktail glass>
ジン 2
コアントロー 1
レモンジュース 1
アブサン 1dash

なんのことはない、ホワイトレディにアブサン加えただけ。だけど「英国」という意味においてはこちらの方が筋通ってる。が、引っかかるのはアブサン。
なぜ高貴な、それも最上位の人物名を冠したカクテルにあまり出自のよろしくない酒を?と思うけど、これについては香りが複雑かつ洒落た感じになるからだという想像はつく。
加えて、ジンだって今じゃ英国を代表するスピリッツとして、そしてクラフトだなんだともてはやされていはするものの、元を正せばホガースの「ジン横丁」に描かれたような出自の酒。使うならせめてスコッチウイスキーとすべきじゃないかと思う。

こうやってどちらにも個人的疑問はあるけど、どちらを採るか?となると僕はコニャックレシピです。

なぜか?
「偉そうなヤツはだいたいコニャック」説があるから(自説です。シャンパン使うものも同様)。

コニャック…というかブランデーを使ったカクテルには妙に仰々しい名のついたものが多い(気がする)。
逆に言えば「とりあえずブランデーさえ使えば偉そうな名を冠しても良くなる」という見方もできる(極端だけど)。
だから、何れの国の君主にせよ、その名にするのならコニャックを使う方がそれらしい威厳が出るし説得力も高まる…と思う。歴史的にも王侯貴族の酒だし。

…今回は浅薄な個人的思考に終始してしまったな。
まだ書くことは残っているから、続きは次回。

この記事が参加している募集

私の作品紹介

もし、記事を読んでくれてお店の方が気になったら覗いてみてください。Instagram / FBもページがありますが、まずはオフィシャルHPを。 http://www.bar-tool.com/ サポートしていただけた場合はお店の運営に充てさせていただきます。