見出し画像

Archaïque Smash

※このnoteは当店のインスタグラムにアップしたカクテル解説になっています。

ひさしぶりにtwist cocktail。

インスタストーリーでGin Basil Smashのtwist企画を見つけた。
オリジナルを作ったことがないのに参加するのもどうかと思ったのだけど、狙ったかの如くレモングラスビターズ完成タイミング、しかもアイデア降りてきちゃったから参加してみました。

とりあえずレシピ。

Archaïque Smash
<Build / Rock glass>
バジル&紫蘇ウォッカ(自家製) 30ml
ビーフィータージン(47.3°)15ml
ライムジュース 10ml
レモングラスビターズ(自家製)3tsp
ナンプラー 5~7dash
シュガーシロップ 1tsp
ガーニッシュ バジルor紫蘇の葉
※氷は複数個使用

材料見てわかる人は多いと思うけど、タイ料理に着想を得たtwist。
バジルにレモングラスにナンプラーでそれ以外を連想しろってのがムリですね。ホーリーバジル使えなかったのが残念。
ネームは「微笑みの国、タイ」てコピーを思い出してそこから。
「Archaïque(アルカイック)」と読みます。
世界史や美術の授業でみんな一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。まんま、「微笑み」を意味する。
それにSmashとSmileも語感が似ているからそこもいいなっていう駄洒落ですね。
「そのセンス、どうなんですか」って言われるとツラいけど。

そんな製作者のセンスはさておき、全体のライナーノートみたいなものを。

主要素材を自家製で纏めてしまったのは悔しいところ。
バジル&紫蘇ウォッカはフレッシュをマドルすれば近いものができるけど、ネックはビターズ。
でもこれ、「フレーバー・マトリックス」という書籍に載っているレシピほぼまんまなので、気になった方はそちらをチェックしてください。
他はシンプルな構成。
ポイントはやはりナンプラー(使い過ぎ注意)。
書くまでもなくハードな発酵もの。クセも香りも強いから隠し味程度にしましょう。飲み重ねるごとに存在感出てきます。
ジンはビーフィーター使いましたが、馴染みすぎるのでもうちょっとジュニパー感強いものか、分量バランス取れば良かったかも。最後にドロップするというのもアリ。
けどこれはバジルorジンのどちらにアイデンティティ持たせるかですね。僕はバジルを全面に出したかった。
技法はビルド。少しラフに作った方がいい。
変にまとめ込むより少々賑やかな仕上がりの方が全体が立つ気がしました。
氷を複数としたのは飲みながら氷溶かして伸ばしてもらうイメージ。それに加水率上がるとナンプラーが立ってくるので香りの変化を楽しめるのも理由。
もし製氷機あるならあの氷をひとつくらい入れて組み上げてもいいんじゃないかな。溶けるスピード上がるので。ただ、この香りは人によって好き嫌いがきっぱり分かれるだろうから組み方は考えましょう。
ちなみにナンプラー+酸味+甘味でタマリンドみたいなニュアンス出るので、苦手ならタマリンドシロップで代用も可能です(Amazonで買えます)。

しかし、こうやって書いてみても「これ作ってみよ」って人はおそらくいないだろう。
自家製で作る楽しみは自分で可能な限り自分のイメージに近づけられることだけど、それは自分しか作れないというのと同義。レシピを公開したところでほぼ拡散されないということでもある。
だからこそ、その中からsignatureとなるものが出てきたりもするのだから一長一短。

「そのBARでしか、そのバーテンダーからでしか飲めないカクテル」を作るか「どこでも飲めてバーテンダーによる違いを楽しめるカクテル」を作るか。
これは永遠の命題な気がする。

この記事が参加している募集

もし、記事を読んでくれてお店の方が気になったら覗いてみてください。Instagram / FBもページがありますが、まずはオフィシャルHPを。 http://www.bar-tool.com/ サポートしていただけた場合はお店の運営に充てさせていただきます。