見出し画像

【読書】わが闘争(アドルフ・ヒトラー)

ナチ党指導者のアドルフ・ヒトラーの著作。全2巻で、第1巻は1925年、第2巻は1926年に出版された。ヒトラーの自伝的要素と政治的世界観の表明などから構成されており、ナチズムのバイブル。
幼少期に画家を目指していたヒトラーが第一次世界大戦からの経験、ドイツ労働者党への参加、その類まれなる演説能力で求心力を強め党の代表にまで上り詰める。ヒトラーは、純潔なるドイツ人とユダヤ人が混ざりあうことを認めなかった。それは当時のドイツの中央政府にいた多くが共産主義者やユダヤ人、またはドイツ人とユダヤ人の混血であった。そして聴衆の多くが、その政府に対して、不満を持っていた。戦争に負けたことでドイツ国内の政治は破綻状況になっており生活が大変苦しかったのだ。ヒトラーは第一次世界大戦時、軍隊に参加し最前線で戦っている最中(全線では戦いに有利な常状況であったにもかかわらず)、国内で戦争反対のストライキ等が起き、戦争に負けてしまう。負けてしまった理由は、中央政府(富裕層)のせいであり、中央政府が多くの国民(8割の中間層や貧困層)にとっての共通の敵であると伝えることで、ドイツ労働者党は力をつけていった。聴衆を味方につけたヒトラーは中央政府を倒す画策を起こすが、裏切りに合い反逆罪で捕まってしまう。そして法廷で裁かれることになるのだが、ここで世界が注目した演説を行う。多くのマスコミが法廷に来ておりその熱狂的な演説の内容は世界に広まり、完全に世論やそしえて判事さえも味方につけ、事実上無罪を勝ち取った。絶望する国民にとってヒトラーの言葉が希望となり、1933年ヒトラーは首相に任命され、総統となる。その後、ポーランドへの進行、第二次世界大戦へ突き進み。ユダヤ人の大量虐殺(約600万人のユダヤ人が虐殺されたとされている)を行う。ヒトラーがいかにして人間の姿をした悪魔となったのかがわかる一冊だった。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?