【小説】 透明の家 《第四話 後編》
足元がおぼつかない。
誰かの足と差し替えられたのかと思うほど、上手く歩くことができない。
胃が焼けるようにあつい。頭はぐるぐるとしているし、焦点も定まらない。いつもよりも明るく見える街頭の光がチクチクと視神経を刺激して、自分の醜態を嘲笑っているかのように思えた。
自分が酒に耐性がないということは知っていた。だけど正気のままではいたくなかった。だから会場から離れた居酒屋にふらりと入り、酒を煽った。
どの種類の酒が度数が高いかは分からなかったので、ただひたすら飲酒量を増