あの角を曲がれば…
僕にとって“惹かれる音楽”とは、廊下の角を曲がった時に突然現れた見知らぬ女子との“衝突”のようなものだ。
避けようもなく彼女と衝突し、「ごめん」と言いながら教科書を拾う。次の日彼女は隣のクラスであることが分かり、その次の日には何やら大きな楽器のようなものを背負った彼女を見かけ、雨の日には赤い傘をさすこと、体育がどうやら苦手らしいということ(走り姿を見てしまったのだ!)、ときどきべっこうの眼鏡をかけることなどを知る。
いつもの場所、いつもの時間、いつもの心情に、いつもは存在しな