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禁酒33日目 深呼吸で飲酒欲求が消える?早い脳と遅い脳のチカラ

「ファーストアンドスロー」って本は聞いた事ありませんか?心理学者ながらノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの代表的著作です。カーネマンは行動心理学を経済に落とし込みました。どうして人間は理論的に行動できないのか?経済の仕組みは数学的な理論だけでは説明出来ないのです。カーネマンによると人間の経済行動は理論的な消費行動とは大きく離れています。

 人間の頭の中には2人の自分がいます。それは早い脳と遅い脳です。早い脳の役割は直感に関するものです。あなたが歩く時に右足の次は左足を出すなんて事は考えません。歩く時は自動的に脳がが体に命令を出します。これが早い脳の役割です。例えば、人間が行動する時全ての行動を頭の中で考えてから体の各所に命令を出していたら頭がパンクします。ですので単純な作業は頭で考えなくても直感的に体が反応するように出来ています。

 遅い脳の役割は、物事を考察する時に働きます。買い物をする時に10個入り100円の飴と55個入り1400円の飴はどっちがお買い得かなどを判断する時に働きます。

 で、ここからが問題です。遅い脳はとにかく怠けモノです。なるべく働かないで早い脳になるべく働いてもらおうとするのです。これが原因で人間はかなりの間違いを犯します。

 世の中の広告は早い脳に働きかけるように作られています。早い脳イコール本能と考えても間違いではありません。例えば「先着100名様まで!」などという限定商品商法は代表例です。原始時代には食べ物は即座に手に入れておかないと次にいつありつけるか分かりません。人間の頭の中には遠い将来の利益よりも目前の利益を優先するようにプログラムされています。

 こういった脳の働きを一般的に「バイアス」と呼んでいます。バイアスには様々な種類があります。バイアスの種類を知って置くだけで無駄な買い物や間違った選択を取ってしまう確率がかなり下がります。

 さて、話を禁酒に戻します。あなたは酒を飲みたくありません。これは遅い脳が考えていることです。しかし、早い脳が目の前の快楽を取る事を選択してしまうのです。しかし、禁酒を決断したあなたは即座に遅い脳を発動させます。この遅い脳と早い脳の葛藤をどうやって処理すれば良いのでしょうか?

 結論から言うと、深呼吸があなたの遅い脳の働きを助けます。息を吸っている時には心拍数が増大します。そして逆に息を履く時には心拍数が減少します。「息を飲む!」という表現があります。息を飲むわけですから息を吸っている状態です。そして息を飲む時は本能に頼るときです。心拍数が高まった時は興奮している状態ですよ。心拍数が増大すると早い脳が働きます。そして心拍数が遅い時は落ち着いて理論的に行動します。ですので今日酒を飲むかどうか迷ってしまった場合は息を吐く時に吸うときよりも2倍長い時間をかけて息を吐いて下さい。何度も何度も。そうやってあなたの中にある遅い脳の能力を発動させましょう。

永作

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