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bandshijin 音楽ブログ

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音楽ブログ『∴bandshijin∵』の記事を紹介する記事集。
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2023年2月の記事一覧

くるり『愛の太陽』音楽の丹精、「みち」の様相。

くるり『愛の太陽』音楽の丹精、「みち」の様相。

丹精な音楽作品は「不出来な私」を裏面に含めてくれる。くるりの音楽は私の一部なのだと、おこがましいながら思わせてくれる。愛の太陽のリフからあっちこっちくるり曲に飛びひしながら肥大した長いブログです。

古井戸『インスタントラーメン』反転するハイライト、作詞の題材。

古井戸『インスタントラーメン』反転するハイライト、作詞の題材。

インスタントラーメンて日常的なアイテムのイメージあるも、うちではふだん食卓にあげるのが稀なせいか一種のアミューズメントかエンターテイメントにも思える。古井戸の愛嬌いっぱいの歌唱、曲想の素敵と。

井上陽水『クレイジーラブ』異端と愛の幅

井上陽水『クレイジーラブ』異端と愛の幅

溌剌としていながら聴く者に対してトリモチのような粘性を発揮する歌声とは対照的に、井上陽水の歌詞の世界はときにドライでがらんどう。死んだ魚のまなざしで刺す無常の様相が鋭い。愛も幸福もさまざまで、日常こそ異端への道。

映画『かもめ食堂』と『ガッチャマンの歌』

映画『かもめ食堂』と『ガッチャマンの歌』

“誰だ 誰だ 誰だ”はサチエ・ミドリ・マサコ、お店を訝しんで覗くヘルシンキの婦人3人組にも重なる。奇抜で稀有なめぐりあわせを、素朴な質感と可憐な茶目っ気でお盆に載せる態度が『かもめ食堂』の素晴らしい魅力である。

井上順『お世話になりました』貸してあげるの輪廻

井上順『お世話になりました』貸してあげるの輪廻

ツケにしてもらったままじぶんがオトナになって、流れ着いた場所で生きていたらかつての自分みたいな若造がやっぱり風のようにやってきて、その子にツケでやさしくしてあげる。世代を渡る“また貸し”が輪廻していく。

ヘドバとダビデ『ナオミの夢』幸せの観念、大衆歌は過渡期の薬効

ヘドバとダビデ『ナオミの夢』幸せの観念、大衆歌は過渡期の薬効

言語の隔たりをこえるとき、観念や抽象の度合いが高まる気がします。“Come back to me”と唯一の英語のライン。戻って来てほしい存在の素性は特定の個人かもしれませんし、幸せそのものの象徴にも思えます。ヘドバとダビデ『ナオミの夢』と、歌手名と曲名が並ぶとインパクト。