私がWebライターになった理由③初めての直接契約・紙媒体の厳しさを知る
長くなってきた。今日は第3回。
最初にいただいた介護施設のお仕事は、急に依頼がとぎれることがあった。
納品してもなかなか検収されず、ヒヤリとしたこともしばしば。
1社だけでは不安定だと気づき、いくつかの案件に応募をはじめた。
Twitterで、クラウドワークスやランサーズに頼らず、直接契約を狙え!というようなツイートを見かけた。
クラウドワークスは便利だけど、手数料が痛い。
1万円稼いでも、手数料をひかれると8千円程度しか手元に入らない。
直接契約かあー。とれるかな。
不安に思いながらも、indeedをのぞいてみると、ライティングの仕事募集は想像以上に多かった。
そのうちいくつかの会社に応募をして、なんと1社から採用通知をもらえた。
まだこの頃は、Webライターという認識はなくて、ただ施設紹介文を文字で埋めてお金を稼いでいるような感じだった。でも、直接契約をいただいたことで、「私はライターになれるのかもしれない」との意識が芽生え始めていた。
直接契約のお仕事は、取材音源を聞いて、2000字の原稿にまとめるものだった。
2000字で、1800円。
文字単価は1円を切っている。0.8円換算だ。でも、手数料がひかれないから、クラウドワークスでの1円と何も変わらない。
しかも、掲載先は紙媒体である。
私の名前は出ないけれど、なんかレベルアップした気がした。
案件開始前に、大量のマニュアルが送られてきた。
基本的な漢字のひらきかた。数字は1桁は全角、2桁は半角。西暦の書き方。会社名の表記の仕方。フルネームは初出のみ。「」と()の使い方。魅力的なタイトルのつけかた。などなど。
印刷したら、A4の20Pファイルが一冊、ぱんぱんになった。
すごいマニュアルを教えてもらえた、と思う反面、私はなにも知らないんだなと焦りを覚えた。
なんとかこの仕事で成長したい。ライターとしてやっていけるようになりたい。
その意気込みは、2ヶ月で撃沈した。
フィードバックがきつすぎる。「もっと考えて書け」とか、「この流れは何でこうしたのか意味不明」とか、改善のしようのない言葉が並んでいた。
へたくそなのはわかってる。でもさ、そんな言い方してどうするんだろう。会社のデスクに座っていたなら「馬鹿野郎」とか「ひでえ原稿だな、やり直せ」とか言われても、周りにアドバイスを求められたかもしれない。
でも、メールでFBを突っ返されたら、突き刺さるだけで何もできない。
傷つくだけのやりとりが続いた。
全ライターへの注意喚起として、メールが届くのも嫌だった。
「レギュレーションを守れていないライターには今後依頼をしない」
とか、そんな内容だった。
私のことを言っているのか。
誰のことを言っているのか。
全体配信だと、ただ怯えるだけである。
(もう、やりたくない)
せっかくの直接契約だったけど、私は2ヶ月で辞退を告げた。
その企業は今でも、ずーっとライター募集している。
低単価でライターを採用するなら、そこには教育が伴う。伴わなければならないと思う。
教育をせずに低単価ライターを消費するだけの企業だった。
ベテラン紙媒体ライターなら、2000字で2万円以上が相場じゃないかな。10分の1以下の金額で雇われたんだな……
3年たった今でも、あの仕事をやりたいとは思わないから、やっぱり辞退して正解だったと思う。
ここで、ライターをやめていてもおかしくなかったけど、続けているのには、ある案件との出会いがあった。
「ランサーズの大量募集案件」
私が勝手につけた名だけど、そう表現するのにぴったりの案件に合格した。
まだ続く。
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