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自費出版と自己出版(セルフパブリッシング)とかその他雑記

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私は、自費出版も共同出版も自己出版もやったことがあります。できればオンデマンドもやってみたい。だから、記録をまとめてみました。 自己出版のノートを入れるために作ったマガジンですが… もっと読む
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2020年8月の記事一覧

アルプス一万弱、子ヤギの上で(思い出)

アルプス一万弱、子ヤギの上で(思い出)

次男が「人生ゲーム」にハマっていた頃の話。

次男六歳児の「株券を買う」のイントネーションが変だった。
「買う」じゃなくて「飼う」。
ふと、思いついて聞いてみた。

私「株券、って生きてる?」
次「生きてる!」

やっぱり。

私「鳴くの?」
次「鳴く!」
私「どんなふうに?」
次「かぶ、かぶかぶ!」

犬のような動物らしい。

カブ犬を飼う。

しばらくしたら
次「ままー!テレビで『かぶぬしゆう

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松は守られた~小さな政治~

松は守られた~小さな政治~

まさか自分の経歴に「議員」なんて入るとは思ってもみませんでした。

きっかけは、地域のボランティアサークルです。
30人くらいだったでしょうか、活動していたのは。
活動していると、どうしても「地方自治体」やら「条例」やら
無関係ではいられなくなりました。

ねぇ、変わるんですって
ええ?困ったわねぇー

で、済むことが多かったのですが

ねぇ、私たちが使っている会館、老朽化で取り壊しですって!

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六歳児と選挙:2004参院選の思い出

六歳児と選挙:2004参院選の思い出

私は、「半病人」なので、投票所までに倒れるおそれがあり、ダンナは休日出勤。どーしようかと困っていました。
ダンナは、事前投票したのですが、事前投票所は、当日の投票所より遠い。私は、二回トライして挫折。

当日は昼間暑くて選挙に行けず(倒れるかもしれないから)
7時半から夕食です。そしたら、ダンナ帰宅。

「選挙…間に合うぞ?ついていってやろうか?」
「あー、まだ食べ終わってないのよー。もう、いいわ

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六歳児、仮面ライダーを語る(思い出)

次男・六歳が、言うには、平成仮面ライダーの順位は

1.龍騎
2.アギト
3.クウガ
4.ヒカリアン
5.555
6.剣

だそうだ。…ちょっと待て!何か違うの入ってるぞ!

555と剣、ヒカリアンに負けてるし。

「剣はねー、戦うところはいいんだけど、話がふくざつなんだよー。
龍騎は、戦いばっか考えてるから、いいの。カードベントが、今になって面白くなってきた。」

へぇー…

私はだんぜんクウ

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子どもで遊ぶ(思い出)

子どもで遊ぶ(思い出)

長男が小3の時のこと。

友達の家から帰ってきたので、
「友達んち、どこ?地図で教えて?」

以前、「子供に地図を描かせると、ランドマークが大人と違うから面白い」と聞いたことがあるのですよ。
(そうだ、やってみよう)

「ここがうちで」

「ここにおじいちゃんの車が止めてある」
お!いきなり、可動ランドマークだ!

「このうちには黒い犬がいて」
ま、これぐらいは許そう

「ここで、友達の背中にぶつ

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電話帳を読んで

電話帳を読んで

私は、辞書・百科事典・電話帳を読む子どもだった。活字中毒。いや、情報中毒と言えるかもしれない。何せその頃はインターネットがなかった。知識は活字だ。

読み方は単純、無作為に開いて読む。興味を惹く単語があれば、調べて読む。途切れるまで続ける。

電話帳も基本は同じ読み方なのだが、辞書・百科事典とは大きく異なる点がある。

広告の存在だ。

万物は、辞書・百科事典の前に平等だ。「薔薇」も「インキンタム

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取っーた!

取っーた!

その晩私は幽体離脱を楽しんでいた。そのころは“夢”と呼んでいたが。

 夜空を飛ぶ夢は気持ちがいい、思うまま飛んで自分の体にストンと落ちる夢。
そこから深い眠りに入り、翌朝目覚めるのだ。
 で、いつものように、ストンと落ちようとしたら。

 “私”がかっ!と目を見開いて、言ったのだ。

「取っーた!」

 それから私はまだ飛んでいる。

 空の肉体の器はまだ見つからない。

その家の人は何も知らない

その家の人は何も知らない

由来のわからない祠が、どうしてここに?というところにあることがある。これはそんな話。

どんどん宅地化される新興住宅地にそれはあった。
「お稲荷さん」とよばれていたが、本当にそうなのかどうかは不明。
その土地の持ち主が代替わりして、手放すことになった。
その祠に「魂ぬき」という行事をした。あろうことか「もう魂はぬいたのだから」とその祠をゴミの日に捨ててしまったのである。
そして更地にして、見知らぬ

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病院の入り口で

病院の入り口で

気が付くと私は、病院の入り口に立っていた。
立っていたのは、傘立ての中だ。

なぜ?

よく見ると、他にも、傘立てに立っている人がいる。
傘立てだけじゃない。
観葉植物の鉢の上。金魚の水槽の上。たたんだ車椅子の上にいる人もいる。
中年のおばさんもいれば、若い人もいる。
それらが、病院の中に向かって、じーっと立っている。

と。

たたんだ車椅子の上にいた青年が、くるっと振り向くと、車椅子を降りて病

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夢の話4

 蒸し暑い日だった。それが急の夕立で、すっきりするかと思ったら、しのつく雨に変わってしまい、むっと湿度だけが息苦しい。

私は道を急いでいた。ズボンが湿って足にからみ、砂利道の小石が左の靴に入ったらしい。右の靴は裏の溝に小石がはまったらしく、歩くたび「ギャリッ、ギャリッ、」と、嫌な音をたてる。

 とうとう我慢が出来なくなって、傘を背中に腰を曲げ、首で柄を押さえながら、私は左の靴を脱いだ。小石を出

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夢の話3

夢の話3

私は女子高生で夕暮れの薄闇の中、下校していた。

角を曲がると、駅前のロータリー。

そこの時計台で首を吊っている女生徒がいる。
その正面の駅の屋根に、別の女生徒が上って死体を凝視している。
彼女は死んだ娘の親友なのだ。だから目をそらすわけにいかない。

私は死体を見ないようにして、下を向きながら駅前を通り過ぎる。

路地に入るとそこは暗い。

街頭の下に、誰かが立っている。顔だけが闇に覆われて見

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回送

回送

坂本さんはタクシー運転手だ。

ある日、お客を乗せた帰りに、たまたま有名な霊園の前を通る道に出てしまった。
いつもはなるべく通らないようにしているが、その日はそのまま突っ切ることにした。

霊園の前を通り過ぎた途端

「もどってください。」

と、後部座席から運転席へ、女がぬっ、と顔を出した。
長い髪が顔に張り付いていて、目だけが大きくぎろぎろとしている。

わっ、と思って坂本さんは急ブレーキを踏

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ノック

ノック

我が家は四人家族だ。
パパ・ママ・弟が居間にいるとき、長男がトイレに立つ。

彼は、ノックをする。
とんとん。

家族全員居間にいるのだから、ノックが返ってくるはずがない。
けれど、彼は「ほかにだれかいる」という。

すると。

とんとん。

シャンプー

シャンプー

「念願の一人暮らしを始めました。遊びに来てねv」

友人からそんなメッセをもらって、しばらくしてから泊まりに行った。
独身女性の一人暮らしじゃワンルームがせいぜいで、
あと一人寝るのが精一杯の小さな部屋。
それでも一国一城の主はご満悦である。

彼女の自慢はバスルーム。
この手のアパートにはめずらしく、ユニットバスではないのだ。
トイレが別で、風呂に洗い場がある。

鼻歌を歌いながら友人が入浴して

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