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POLTAワンマンライブにいくために

行くと決めたのは割と衝動的で、今週の水曜日。
家でPOLTAの音楽聴いてたら、どうしてもライブを見たくなって。
あらかじめ入れていた予定を変更してもらい、チケットを予約して下北沢へ。

今年出た『LOVE TO DIE』というアルバムには本当に支えられていて、一度CDプレイヤーに吸い込まれると5周はしてしまうくらい大好きな作品だ。

今週はPOLTAの二週連続ワンマンライブの二週目。

先週は古い曲多め、今週は最近の曲を中心に新曲もやるよ~!という内容だったのでどうしても行きたくなったのだ。

どうしても行ったよ~!昼の12時半、下北沢に!

開演30分前に会場の下北沢THREEに着くと・・静かだ。すごく静かだけど場内は結構埋まっている。相変わらず、圧倒的なひとり参加率に安心した。

かくいう僕も一人でね。

誰も座っていない三人掛けのソファに腰を下ろし、ドリンクチケットで引き換えたビールを飲みながら、POLTAのライブとラーメン屋の客層の共通点を探すなどして時間をつぶしていた。

ライブを見るという目的だけを達成しにきている一人一人が集まって、下北沢THREEを埋めている。そこに余興や尾ひれはいらない。

各々で余韻を持ち帰って、SNSとかには感想を書いたりするけども、ほとんどが自己完結で消化される。それを僕は素晴らしいことだと思った。
「ユーザーの96%が一人で参加しています!」という巨大な円グラフが僕の頭の中を占拠し始めたころ、会場に流れるBGMが大きくなりメンバーが登場。

いい曲が終わるとまたいい曲が始まる。POLTAのライブはその繰り返しだ。

1曲が3~4分だから、繋げるところはテンポよく、勢いとノリと熱を作っていく。
そして、会場にいる誰もが少し休みたい、心の名曲体験ゲージが溜まったから落ち着かせてほしい、と思うところでちゃんとMCが入る。
MCでは曲を作った背景が長めに語られたり、メンバーの過去のブチギレ事件など挟みながら、会場にいた全員がPOLTAの世界に入り込んで感動したり笑ったりする時間を共有していく。

1stアルバムの曲もいくつか演奏されて、誤解を恐れずに言うならば、「今の尾苗さんの歌で再録してほしい!」と思った。序盤の『30』なんか特にそうだ。
今の尾苗さんは1stの頃よりも表現力が格段に上がっていて、歌唱力もパワーアップしている。声の透明感はそのままに、曲に奥行きを持たせてしっかりと歌い上げていたのがとても印象的だった。

そして、ライブ中の尾苗さんを見ていると【みんな】へではなく【ひとりひとり】に向き合って演奏しているように思えた。会場は隅のほうまで埋まっているのに、だ。
これは僕が勝手に誤解しているとすごく気持ち悪いことになってしまうから、是非とも誤解していたくないところである。

ライブはアンコール含め19曲。
大半の曲では、サポートメンバーにドラムやギターも加えた編成で演奏された。
尾苗さんが歌っているその横や後ろで演奏している皆さんを見た後で、正式メンバーの傑さんを改めて注目してみる。
すると、サポートメンバーでさえも曲の世界観をしっかりと表現しているのに、傑さんはさらに一歩二歩と入り込んでいて、一人だけ違う次元でベースを弾いていることに気づいた。
決してサポートメンバーの力量が追い付いていないとかではなく、歌っている尾苗さんを除けば、楽器を弾いているその姿や表情が傑さんは際立っていたのだ。これが気迫というやつだろうか。

そのときに思った。ああやっぱり、サポートメンバーが何人立っていようが、POLTAは尾苗さんと傑さんのバンドなんだな・・と。
僕が密かに感動していると、MCで「汗の拭き方が雨で濡れた子犬みたい」と発汗量を発端にイジられてしまう傑さんもまたお茶目だ。

セットリストは嬉しいことにLOVE TO DIEの10曲は全部やってくれた。
そして本編最後に演奏された『春が過ぎても』で泣いてしまった。
まだ結構ツラい時期だった今年の4月に観に行ったライブで演奏されて以来、自分の中で特別な曲になっていたことをこうやって気づくんだな・・
そしてこの流れで言いにくいけど、『春が過ぎても』は別のミニアルバムに入っている・・

アンコールでは初めて聴いた『ラストストップ』
ただただ美しかった。
最初のギターのノイズから、「どうか辛くなくいて」という切実なメッセージまで。
本当に大事なときにしかやらない切り札的な曲として、これからも演奏され続けてほしい。たぶん、POLTAのライブ観に行くたびに聴けたらいけない曲だと思う。変な言い方だけど。

ライブ終了後は、POLTAのお二人が会場の出口に立ってお客さんに頭を下げながら見送っていた。
僕も「お疲れ様でした」と声をかけて人の流れのまま行こうとしたら、ふと僕に気づいたメンバーが「あ、良かった、元気そうで!」と言ってくれた。
とっさに「元気です!おかげさまで!」と返してわずか3秒ほどのやり取りだったが、これには本当に感動してしまった。
POLTAには4月のライブ以来会っていないし、僕も口をついて出た言葉が掛け値なしの本音だったから、なんかもう、3秒だけど全部が全部ありがたいなという気持ちで胸がいっぱいになった。

帰りは湯島駅で居ても立っても居られなくなり、途中下車。大好きな油そばを食べるためだ。

最高に最高を上塗りすることに成功。この油そばを教えてくれた友達には来週会える。最高だ。

日々、僕は僕をやっていこう。

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