国道とレイドバック
昼間の蒸し暑さに
暗がりが薄い蓋をしてくれている
歩いて帰ろうか 駐輪場に延泊させたまま
あしたの昼は
もやに溶けてみてもいいしな
少し大きい鞄を 右手と左手に持ち替えながら
骨盤が歪まないように 背中は丸まらないように
まっすぐ歩いているぜっていう
自覚があると
とても気持ちがいいんだよ
雨上がりのつかめない雲 輝いた気がして
気圧の奥底で叫ぶ声 いまどき聞きたくなって
指先の慣れた摩擦係数 耳をすませば
夜の9時半 気まぐれに
季節もレイドバックしている
ひとりの甲州街道 誰ともすれ違わないように
時速60キロの無関心が 不定期に僕を照らす
少し大きい鞄を 右手と左手に持ち替えながら
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