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守るだけじゃ増えない居場所

その手動かせ 黙ることはできないんだろう
壁を動かせ 守るだけじゃ増えない居場所

とKREVAもラップしていることだし、新しい店に挑まんと入ってすぐこの有様だよ!

ここの店主は、押しボタン60個の全員にきちんと役割を振ってくれる心の持ち主。
一方で僕の中では何が起こったかというと、さっきまで心の中で勇ましくラップしていたKREVAはすぐに鳴りを潜めた。
代わりにsyrup16g『神のカルマ』の一節「最新ビデオの棚の前で 2時間以上も立ち尽くして 何も借りれない」がカットインしてくる。
ちなみに上記の歌詞の部分が曲のヤマ場だ。
ここに向けて演奏の熱量をジワッジワッと上げていき、いよいよだと思ったところに何かが「ズルリ」と滑り落ちたのに、確実に血が騒ぐ音がしている。そんな得難い体験をできるバンドがsyrup16gだ。

さて僕は、券売機の前で思考能力がゼロになり一切の文字が読めなくなったが、2時間以上も立ち尽くすわけにはいかない。その手動かせ。
56個の小さいボタンは無視して、上4つの大きいボタンの中から選ぶことにした。
最新ヒットチャートの1位から4位まで掲載されていてありがたい。あと情報が大きくて頭に入ってきやすい。

最初だし1位のやつから食べておこう。
カレー3種類テイスティングできるし。

店の看板に「ナンがとても大きい!」と謳っていたけど、もはやこれくらいじゃ僕は驚かない。しれっとテンションが6段階ほど上がるだけだ。

ここでスターティングメンバーの紹介を挟んでおこう。

センター:キーマ
スパイスが身体中を駆け巡る1番打者。守備範囲が広くバランスの取れた選手。挽肉が粗いのが持ち味である。

レフト:マトン
阪神にいた助っ人とニアミスだが関係ない。ビリッとパンチ力のある打撃が魅力。マトン特有のくさみをまったく感じさせず、程よいかたさを持った肉は食べ応え十分。

ライト:バターチキン
キーマとマトンの辛さを中和してくれるマイルドな味。辛さレベルがホームインしそう(限界に達しそう)なときには持ち前の強肩で捕殺してくれる、外野の中では欠かせないメンバー。

写真を撮り終えると新メンバーが来日した。

動揺して全体の写真をもう一回撮るという行為に出た。彼の名はタンドリーチキンである。
なんということだろう。辛いやつのおかずで辛いやつが増えた。
しかしこれが美味しい。スモーキーかつスパイシー、おまけにジューシーだった。フェスで出店してたらリピートしてしまいそうだ。

一つずつのカレーの味もいけるのだが、いかんせん「辛い」への偏りが強すぎる。何と言ってもおかずのおかずも辛いのが決定打。
カレー屋で辛いことに文句を言うつもりはないけど、味のアプローチがどのカレーも似ている気がした。だからバターチキンのマイルドさは欠かせないと言える。次来たら三種とかじゃなくて普通に一種にしておこう。
あとナンよりもサフランライスのほうが合いそうな気がする。

隣のカレー屋がスープカレーGARAKUだったりして、どっちに行くか悩んだ結果、KREVAが冒頭の曲をラップし始めて今回はこちらになった。
お店としても素晴らしい店が近くにいて大変だろうけど、インディアンスパイスマーケットも頑張ってほしい。

インディアンスパイスマーケット

ごちそうさまでした~

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