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キープしたいと思うもの

 あなたが持っているもの、あるいはあなたと一緒にいる人、もしくはあなたが置かれている状況で、それがずっと続いてほしい、自分のもとを去らないでほしいと思うものは、ありますか?

 何かがあなたに属している、とか、あなたが何かを持っている、というのは、一体どういうことなのでしょうか。一つ単純な事実を挙げるなら、それは、あなたがそう思っているからそうなっているだけ、と言うことができませんか?ちなみに、これをあなたの身体とか、心とか、そういったものに応用すると面白いことになってきます。ちょっと、新たな視点で見てみてください。

 もちろん、あなたがそうだと思うだけではなく、他の人がそうだと思っていなければ「所有している」ということにならないものもありますね。土地とか、家とか。いわゆる同意のようなものから成り立つ所有です。これも、結局は自分と相手がどう考えているか、ということで所有が成り立つのですね。

 では逆に、この「考え」の部分を落としてしまったら、どうなるでしょうか。ずっと持っていたい・ずっと続いてほしいという思いの裏には、それを失うことへの恐れが常に働いています。これがある種の緊張感を人に持たせ、体を強張らせ、自分と世界との分離感を演出します。できれば、こういうものは、すっきりとさせたいですよね。そこで、今回の実験の登場となります。

1.  あなたが持っているもの、あるいはあなたと一緒にいる人、もしくはあなたが置かれている状況で、それがずっと続いてほしい、自分のもとを去らないでほしいと思うものを鮮明に思い浮かべる

2. 「〇〇(思い浮かべたもの)を失いたくない」と、できれば声に出して言ってみる。もしできなければ、声を出さずに言ってみる

3.  それに対する身体の反応を観察する。他に何もせず、ただ観察する。考察は、しない

4.  「誰がこれを感じているのか」と自問し、それを感じているはずの「自分」がいる位置を特定してみる。

5.  さらに浮かんでくる思考に、関連する「失いたくないもの」が出てきたら、それに対して 1 〜 4 を繰り返す

 もし、その「失いたくないもの・キープしておきたいもの」が、そもそも自分のものでなかったとしたら。それを所有する「人」がもともといなかったとしたら。その「失いたくないもの」に関する不安や恐怖の感情が、その「もの」に存在感を与えているとしたら。ここら辺を、上の実験で見ていってください。

 さあ、実験だ。

 


 

 

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