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9. トゥーツの練習パターン集


循環呼吸しないでトゥーツの感覚を覚える

トゥーツを鳴らす上でex1.がもっとも重要になります。サンプルの音のようにポン、ポン、と一定のテンポで同じクオリティで鳴らし続けることができれば、ほぼトゥーツを鳴らす感覚は獲得できています。

ex1.は短くカットしながら鳴らして、循環呼吸しないのがポイントです。循環呼吸しないのと短く鳴らす理由は、トゥーツを鳴らす時に唇を意識しないようにするためです。トゥーツを長くのばそうとした時、あるいは循環呼吸しようとした時、音をキープしようとして唇をギュっと閉ざしてしまうと、到達したいマエストロ的なトゥーツにならないように感じます。

ここで紹介しているex1.~ex8.すべてのパターンをカットしながらきれいに鳴らせるようになったら、循環呼吸してやってみるくらいでもいいかもしれません

かすれないクリアーな音を目指す

このエクササイズ集はなんでもいいからリズム的にできたらいいというのが目標ではありません。一番意識したいのは、かすれないきれいな音で安定した音を目指すということです。

安定しているというのはトゥーツの音質に変化が少ないということです。何回かに一回はかすれるとか、音がびびるなら、力が入っている所を探してそれを抜いてあげる。リズム的な理解じゃなくて、ヨガのアーサナ的なアプローチでトゥーツを安定させる感覚的理解のためのパターン集になっています。

そして同時に鳴らしていて苦しくないように。この2点に注意して練習してみてください。

1から順に進んでいくと、どこかで苦手に感じるパターンに出くわすと思います。そしたら、その前のエクササイズを丁寧にやって再チャレンジするようにして、もう一度苦手なパターンをやってみるといいですよ。きれいにできなくてもドンドン先をやっていくというのはおすすめしません。


唇がビリビリしてきたら

トゥーツばかりを練習すると唇がビリビリしてくる、なんてことがあればもう一度「2. ディジュリドゥの唇の作り方」と「7. トゥーツ - 言葉と鳴らし方を徹底解剖とに目を通してもらって、唇依存から脱却したトゥーツを目指してみてください。あるいはしばらくトゥーツを練習せずにコールを練習してみて、コールの時は唇がビリビリしないことを確認して、コールと同じような感覚でトライするといいかもしれません。

このエクササイズ集をすべて安定してきれいな音で楽に鳴らせたなら、あなたはもうヨォルング的なイダキ演奏のゾーンでイダキと対話できているんじゃないかな~と思います。伝統的なマウスサウンドにこだわらず、自分のオリジナルのマウスサウンドにチャレンジしたり、自由にイダキ演奏を楽しんでみてください。


ex1. Duをカットして短く繰り返す

長いトゥーツを鳴らそうとすると力まかせになりやすいので、最初は短く刻むことで軽いタッチでトゥーツが鳴らせる感覚を養います。強く痛い音で鳴らさずに、ポン、ポンっと軽いタッチで軽い音で鳴らしてみてください。

ex2. DuDuDu- - / 短くカットした後に長くのばす

ex1.でトゥーツの軽さを覚えたら、ex1の時のタッチ感を変えずに音をのばすことで長いトゥーツが鳴らせることを体感できます。Du Duまではex1.と同じで3つめにDu- -とそのままのばすだけ。ex1.の感覚のままトゥーツをのばすことができたら成功です。

ex3. Du - - - / 長いトゥーツをキープする

ex2の最後の部分だけをやるイメージで長いトゥーツを鳴らす練習です。この時かすれたり、止まりそうになっても唇を閉じないようにしてトゥーツのキープの仕方を覚えるのが目的です。トゥーツを支えている場所がどこなのかを探りながらやると大きな発見につながりますよ。

ex4. Du - erre / 長いトゥーツから短くドローンにもどる

この練習の意味は舌が上顎に近づくと勝手にドローンにもどるということを感じることです。唇はフリーにして長いトゥーツの後に舌を上顎に近づければ、トゥーツからドローンに移る感覚が分かります。

ex5. Dugu - rro & Dugu Erre / 短いトゥーツからドローンへ

トゥーツの直後に「gu」を発音することで瞬時にトゥーツからドローンへ移動する。舌だけでその変化を起していることを体感することができるパターンです。「Dugu」だけ取り出して練習するものめちゃくちゃいいメソッドです。サンプルでは「gu - rro」と「guerre」の2種類を演奏していますが、やりやすい方でオッケーです。

ex6. DerreDu - - / ドローンから長いトゥーツ

今までの練習パターンではドローンより先にトゥーツを鳴らしていましたが、ここではドローンの後にトゥーツを鳴らします。ゆっくりやってもいいので、「Derre」の後に舌がベタっと上顎に触れてからトゥーツを鳴らすようにしてみて下さい。ドローンの次にトゥーツが来たとしても基本はex1.の単発のトゥーツと同じです。難しく感じたら「Derre」で一度止めて間をとってから「Du- -」と演奏するとわかりやすくなります。

ex7. DuguDuguDerreiDorro / トゥーツ&ドローンを反復する

「Dugu」を反復するパターンです。「Dugu」を何度繰り返しても安定して鳴らせたなら、トゥーツを鳴らす感覚はビシっと決まってきています。速く演奏するよりも丁寧にきれいな音で鳴らすように努力する方が難しいのでオススメです。

ex8. DuDugurroDerreiDorro / 2回連続したトゥーツ

2回連続のトゥーツのパターンです。これは無理矢理強く鳴らして成立させるよりも、ex1でやった単発のトゥーツがきれいに鳴らせる感覚そのままでトライするとすごく簡単にできます。それでも難しければ、「Du」で切って、一度止まってから「Dugurro」と続くことですぐできます。結局はex1でやってることが基本であることがわかります。

あとがき

前述のようにこのパターン集はリズムのテクニカルな修得を目指すものではありません。一見難しそうに見えるex7.~ex8.がとてつもなくシンプルなex1.で獲得した「軽やかな演奏感」を使って鳴らすことができるということを感じることが目的です。

このパターン練習をする時はストイックに集中してアドレナリン過多でやるんじゃなくて、ヨガのアーサナのような「抜き」や「ゆるみ」を作っていくことが主眼です。落ち着いたリラックスした気分でやってみてください。

また、このサンプルサウンドで使っているディジュリドゥはnoteで作り方を公開している塩ビ管のディジュリドゥOne Didjeriduです。同じ楽器で練習すると音の細かい違いや演奏感を理解しやすいので、ぜひ作ってみてくださいね。

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