「生きづらさの連鎖」を止めるただひとつの現実的な方法
「今やりたいこと、これから実現したいことは何?」
最近、大変ありがたいことに私がしようとしている活動に興味を持ってもらえる機会が増えたので、分かりやすいようにここでまとめておこうと思う。
簡単に言うと、私がやりたいことは
⑴貧困や虐待など、機能不全家族の根本的な治療・解決
こうした問題は、放置しているかぎりは私たちの子ども世代へ、孫の世代へと連鎖していく。(その原因や解決方法についてはのちに記述する)
⑵見えざる弱者(精神疾患など、何かしらの生きづらさを感じている人たち)の可視化、世間への理解、支援を広げること。
また、彼らが自分の力で生きていくための知識や方法を発信し、伝え続けること。
⑶貧困や精神疾患を抱える見えざる弱者たちに、「自分を知ってもらう」こと。
「自分が今どういう状況にあるか、なぜそういう状況にあるか、ではこれからどうすれば生きやすく、豊かな生活が送れるようになるか?」を考えるための方法や知識を共有し、負の連鎖からの脱却・より豊かな人生を送ってもらうこと。
の3つである。
おそらくここまで読んだ方の中には「またできもしない理想論を唱えている奴が現れた」と思う人も多くいると思う。無理もない。私たちは上で記した人たちに無関心で生きてきたうえ、誰もその問題を可視化したり、根本的に解決しようとしてこなかった。そもそも誰も、彼らの存在にすら気づいていなかったかもしれない。
しかし私がこうした問題に腰を据えて取り組もうと思ったのは、「たくさんの人に”知識”を共有することで、これらの問題については根本的な解決が可能だ」と確信を持てたからに他ならない。
次の段落では、その根拠や具体的な方法のほか、機能不全家族で生活する人や見えざる弱者たちを取り巻く状況について述べていく。
彼らはどんな境遇にあるのか?
冒頭でも申し上げた通り、貧困や虐待、機能不全家族は連鎖する。
しかしこれは”遺伝”ではない。後天的な要因によって引き起こされることがほとんどである。そしてその原因は、親となる世代の知識不足や余裕のなさであることが多いと思っている。
例えば、Aさんという女性がいたとする。
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彼女は25歳で、一人暮らしをしている。中小企業で正社員として勤務しているが、どこか「生きづらさ」を感じている。朝、仕事に出かけようとすると気分が悪くなる。夜も寝つきが悪く、夜中に目が醒めることも多い。通勤電車の中で体調が悪くなり、途中下車せざるを得ないことも多く、毎日少し早めの電車に乗ることにしている。それでも、日によってはどうしても遅刻してしまうこともあるし、勤務中に体調が悪くなり早退を余儀なくされることがある。会社での居心地は悪く、どうにかみんなと同じように働きたいという一心で、心療内科で相談をすることにした。
「うつ病ですかねぇ。抗うつ剤と睡眠導入剤を出しておきますね。通院が必要なので、2週間後にまた来てください」
やっぱりか、とAさんは思った。
実家には戻れない。一人で生きていくしかないので、通院しながら仕事を続けることに決めた。抗うつ剤をもらったので気持ちは少し楽になったように思う。しかし、これから薬を飲み続ける生活を送るのだろうか。自分たちの世代の定年は、おそらく70歳くらいになるだろう。あと45年間、このまま働き続ける自信はどこにもなかった。誰かいい男性が見つかって、自分を養ってくれたら一番楽なのに。子どもが生まれたら、幸せな家庭を築けるだろうか。何かが変わるだろうか。そもそも、自分が幸せになることなんて、あり得るのだろうか。将来に漠然とした絶望と、不安を覚えた。心療内科で処方される薬は、次第に増えていった。
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Aさんのような人は、決して少なくない。
厚生労働省の調査によると、2018年の精神疾患の総患者数は392.4万人で、そのうちうつ病を含む気分障害は111.6万人。1999年の気分障害は44.1万人であるため、「実際に病院で診断を受けた」患者数は2倍以上になっている。抑鬱状態であるものの病院にかかっていない人の存在を考えると、おそらくもっと数は膨らむ。
さて、「うつ病」と診断されたAさんだったが、薬を飲み続けても”寛解”(全治とまでは言えないが、病状が治まっておだやかであること)する日はなかなか訪れない。当然である、彼女は単純に「うつ病」の一言で片付けられる状態ではなかったからだ。そこで、Aさんの生い立ちを振り返ってみる。
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Aさんは、機能不全家族で育った。両親は共働きだが、父親は家族に関心がなく、母親は過保護で優しかったが、ヒステリックな一面があり、幼少期に何度も叩かれたのを覚えている。母親のことは好きだった。でも怖かった。イラつかせると叩かれるので、いつも人の顔色を伺う癖のある子どもだった。
Aさんにはひとつ年上の兄がいた。小学校に上がる頃までは仲が良かったが、次第に兄は、両親に隠れてAさんをいじめるようになった。殴る蹴るの暴力を日常的に行い、「お前のことなんて誰も必要としてない。お父さんもお母さんも友達も、みんなお前のことが嫌いだって言っていた。だから早く死ねよ」と執拗に言い続けた。
兄の家庭内暴力は次第に激化し、中学生になる頃には手がつけられなくなった。しまいには、母親にすら手をあげるようになった。父親は「我関せず」というような風で、Aさんと母親はそれから十数年間、そんな環境で耐え忍んだ。中学生くらいから何度も死にたいと思っていたが、自分が死んだら残された母親はどうなるか、と思うと死ねなかった。
社会人になって、ようやく家を出る決意をした。暴力から解放され、身の安全を確保することができた。このまま精神状態は良くなるものと思っていたが、なぜか状況はさらに悪化した。
一人でいると突然涙が出る。夜中、殴られる夢を見て飛び起きる。実家に残してきてしまった母親からたびたび「助けてくれ」と電話があり、毎月仕送りを続ける。兄が母親から金銭を脅し取るので、実家はいつも貧乏だった。どんなに逃げても辛い過去がまとわりつき、ふいに死にたくなる。実家から逃げて自分が母に仕送りを続ければ、なんとか生きていけると思っていた。現実は甘くなかった。
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以後、Aさんの現在の状況について触れていく。
愛着障害を知っているか?
機能不全家族の問題とは切り離せない「愛着障害」、という心理学用語がある。
子ども時代におこなわれる通常の親子間の愛着形成が、何らかの原因でうまく行かず、その後の人格形成や精神状態に大きく影響するというものだ。
「愛着形成」は本来、生後半年〜1年半の1年間がもっとも重要な時期とされる(おおむね10歳までに経験したことで、その人間の人格が形成されるとも言われている)。例えば、この期間に母親と離れて育った、父性や母性を感じずに育った、虐待されていたなどの問題があると、その子どもは「愛着障害」を持ちやすく、思春期以降にパーソナリティ障害などの精神疾患を発病・併発することが多いと報告されている。
※愛着障害は発達障害とも密接な関係がある。発達障害を持っていて、さらに愛着の形成に問題がある子どもは、思春期以降にパーソナリティ障害を発現しやすくなる。これについて本記事で詳しく語ると本題の大筋と離れてしまうので、これについてはまた別の機会に記事にする。
夏目漱石、太宰治、アドルフ・ヒトラー、尾崎豊、宅間守元死刑囚(付属池田小事件)らが愛着障害を持っていたという説は非常に有名である。
(星野仁彦さん著『家族という病巣』などに彼らのエピソード・愛着障害の問題点が書かれている)
機能不全家族で育ったAさんはおそらく、愛着障害を持っている。
そして思春期以降に、何らかの精神疾患を発病・併発したと考えられる。「社会人になって、働き出してから体調がおかしくなった」と思っていたゆえにAさんは「うつ病ですね」と安易に診断をされてしまったが、実は根本の原因はうつ病ではなく、愛着障害をともなうパーソナリティ障害である可能性も十分に考えられる。
しかしAさんは「愛着障害」という言葉を聞いたこともなければ、子ども時代の経験が自分の人格形成や成人後の精神疾患に大きく影響することなど知る由もなかった。
世間一般での、「うつ病」についての認識と理解
ところで、「うつ病」についての世間一般での理解はどのくらいだろう。
「うつ病」は今や知らない人はおらず、国民病と言っても過言ではないほど深刻な社会問題となっている。しかし10数年前までは、世間ではうつ病に関しての理解はほとんどなかった。
誰も「うつ病」がどれほど深刻な病気であるか知らなかったうえ、本人ですら知識がないために、自覚できなかったためである。
しかしワイドショーやテレビ番組、さまざまなメディアが「うつ病」について報じると、状況は大きく変わった。
「自分もそうかもしれない」「この生きづらさは病院にかかってもいいものだったのか」「ああ、あの人は実はそんなに辛い状況だったのか」という理解が一気に広まった。「甘えだろう」と言われ、長年多くの人を苦しめてきたはずのうつ病が、ようやく「市民権」を得た。多くの人たちの理解を得て、知識が共有されたのだ。そして現在、うつ病についての支援や社会的保障はある程度広がっている。
何度も言うが、世間の人々から理解を得られたからだ。
ちなみに、愛着に何らかの問題を抱えている大人は3分の1くらいいる、と精神科医である岡田尊司さんは指摘している。
・「こうしたケースは、狭い意味での愛着障害に該当するわけではもちろんないが、愛着の問題であることにまちがいはなく、それがさまざまな困難を引き起こしているのである」・「さらに成人でも、三分の一くらいの人が不安定型の愛着スタイルをもち、対人関係において困難を感じやすかったり、不安やうつなどの精神的な問題を抱えやすくなる。」・「ご自身が、不安定型愛着を抱えているかもしれないし、恋人や配偶者や同僚がそうであるかもしれない。カップルのどちらかが不安定型愛着を抱える確率は、何と五〇パーセントを超えるのだ! さらに、三人の人がいて、そのうち一人でも不安定型愛着を抱えている可能性は、七割にも達する! 不安定型愛着がどういうものか知らずに世渡りすることは、片目を眼帯で覆って車を運転するようなものだと言えるだろう。」・「愛着障害と呼ぶほど重度ではないが、愛着に問題を抱えた子供が、かなりの割合存在することになる」(引用 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 )
(以下、2019/03/30追記)
岡田尊司さんの著書には上記のように記述があるが、「3分の1くらいの人が不安定型の愛着スタイルをもつ」という部分について、2019年3月30日現在、岡田尊司さんの著書以外に明確なエビデンスが確認できなかった。そのため、「大人の3分の1が愛着に問題がある」という数字については慎重に取り扱う必要があることを明記しておく。
愛着障害や発達障害を適切に理解すれば、何ができるか
愛着障害に苦しんでいる人は、おそらく私たちが予想しているよりも多くいる。
「愛着障害」と呼ぶほど重度ではないが、愛着に何らかの問題を抱えた大人や子どもが3分の1くらいの数いる、という具体的な数字を見ると、この問題がいかに他人事でないかがわかってもらえると思う。そして、私たち一人一人が何かを「知る」ことがどれだけ効果的であるかも、「うつ病」の例から見ても明らかだと言える。
私たちがこうした「愛着障害」やそれに伴う精神疾患、発達障害について適切な理解をすることで、何が実現するか。
・虐待や貧困の連鎖を止めること
・機能不全家族の形成の予防
・自分の状態を把握することで、生きづらさを解消する
・より多くの人たちが支援を受けられる環境づくり
少し考えただけで、これだけのことが実現可能になると思う。
その根拠について述べていく。
まず、「貧困や虐待が連鎖する」というのはよく聞く言葉であるし、みなさんも肌感で理解していることだと思う。これは親世代(愛着障害やパーソナリティ障害、精神疾患の当事者)の知識のなさが招く連鎖であると考えられる。
たとえば、Aさんがこのまま自分の疾患について大きな誤解をしたまま、また、その原因となるのが幼少期の体験であったことを知らずに結婚し、出産をしたとする。
Aさんにとっての「母親像」は、Aさんの母親のみである。
「父親像」は、Aさんの父親のみということになる。
そんな家庭で育ったAさんが、「普通の家庭」を築くことができるかというと、必ずしもそうではない。自分の生育環境が「家族像」のロールモデルとなってしまう以上、第2の機能不全家族を生む可能性が高い。
精神的に問題を抱えているAさんは子を産み、母になった。しかし、相変わらず自分は生きづらさを抱えたままだった。
どうして生きづらさを抱えたままなのかわからない。子どもが生まれて新しい家族ができれば、幸せになれるかもしれないと思った。しかし、実際には昼夜を問わず子どもが泣きわめき、自分中心の生活を送ることはできなくなった。これまで以上に心身がすり減った。
Aさんは立派な母であろうとした。しかし、自分の知っている母親像は、過保護で、ヒステリックで、何か気に入らないことがあると自分を叩く女性であった。
Aさんの知っている父親は、家庭に一切関与しようとしない父親だ。客観的に見ればネグレクトだとわかるが、Aさんにとってはこれが「普通の家族」だった。苦しくても、夫に頼ることはなかった。頼り方も知らなかった。
Aさんは極限状況に陥る。子どもの泣き声が、Aさんの精神をさらに追い詰める。子どもを怒鳴りつける。しまいには、子どもを叩いてしまったり、放置してしまうようになる。
Aさんの子どもは、母性も父性も十分に感じることがないまま、愛着がうまく形成されないまま成長する。そして思春期になり、パーソナリティ障害を併発する。うまく生きられないが、理由はわからない。社会に出て働くようになって、ようやく異変を感じる。心療内科に行くと、「うつ病です」と言われ、抗うつ剤を処方された。
ーーーー典型的な機能不全家族の連鎖である。
もしAさんが結婚・出産をする前に、自分の状況を正確に理解し、適切な治療を受けられたとしたら、第2の機能不全家族は生まれただろうか。
Aさんがパーソナリティ障害を抱えていたとしても、愛着形成の重要性を知り、虐待の連鎖を止めて、子どもの異変にいち早く気付いて一つずつ対処できたとしたら、子どもは同じ未来を歩んだだろうか。
答えはNOだ。180度違う人生を歩めたとまでは言えないが、最悪のケースを招くことは避けられたはずだ。実際に、愛着障害や発達障害の早期治療は、子どもの「できること」や「可能性」を大きく広げることにつながる。
生きづらさを解消していくために、自分を知る
「大人になってしまった私たちは手遅れなのか?」というと、そうではない。
残念ながら子ども時代に形成された人格を根本的に変えることは難しいが、子ども時代の経験が今の精神疾患にダイレクトに影響することを知っているだけでも、状況は大きく変えることができる。
私自身も愛着障害を抱え、長年、生きづらさを感じてきたが、ここ1〜2年間で「できること」が大幅に増えた。さらに、自分自身の状態を根本から知ることで、弱点を知り、「自分は何ならできるのか?何ができないのか?」を考えたことで、仕事の選び方や働き方が大きく変わった。
今の自分は、ここ数年のできごとから形成されているわけではない。
生後半年以降、経験してきたものすべてが関わっている。母親との関係はどうだったか。父親はどうだったか。兄弟姉妹はどうだったか。思春期以降、何か大きく変わったことはなかったか。
「自分はうつ病だ」と思っている人でも、そうでない可能性が多いにある。
逆に、初診で「うつ病です」と診断書を出してしまうような医者のことは、私はあまり信用していない。
貧困の連鎖はなぜ起こるのか
貧困も同様に連鎖する。
大元は機能不全家族の連鎖であることももちろん、多くの場合、親世代が教育の重要性を把握できていないことが要因となりうる。
貧困にあえいでいる家庭では、常に余裕がない。精神的に追い込まれていることも多く、虐待やDVが起こり、機能不全家族にもなりやすい。
金銭的な余裕がないため、多くの親は子どもにかける教育費を捻出できない。塾にも通えず、家庭環境も悪いと、子どもは自分が望むレベルの教育を受けることが叶わない。
自力で勉強すればいい、と思うかもしれない。しかし虐待やDVが起こっている環境で、明日生きているという保証もないのに、将来エリートになるために勉強をしようと思える子どもがどれくらいいるだろう。実際はほとんどいない。
また、愛着障害をもつ子どもたちは「探索行動」ができない。
通常、ある程度の年齢になると子どもたちは様々なことに興味を持ち、好奇心からいろんなことに挑戦しようとする。これは、信頼できる母親や父親などの「安全基地」があるからだ。
「安全基地」を持たない子どもは、生きることで精一杯だ。自分が過ごす家ですら、安全な場所とは呼べない。だから何事にも興味を持てず、好奇心も生まれない。大人になっても、やりたいことが一向に見つからないという事態に陥る。
そうした子どもたちは、たいてい親から大学進学を反対される。奨学金(という名の借金)を借りて進学することも可能だが、卒業時には何百万という自己破産レベルの負債を抱えることになる。
機能不全家族で育ったため愛着障害やパーソナリティ障害を抱えているにもかかわらず、自分の状況を「なぜか生きづらい」としか思えず、探索行動ができないため、楽で、無難な選択を重ねていく。結婚して、子どもを持つ。自己肯定感も低く、上昇志向もない。第2の貧困家庭が生まれやすくなる。
これは親から子へ、子から孫へと、ループしていく。
どこかでこの負の連鎖を断ち切らねばならない。
それが、私がやりたいことである。
これからの活動について
長くなったが、私がやりたいことを再度書いておく。
⑴貧困や虐待など、機能不全家族の根本的な治療・解決
こうした問題は、放置しているかぎりは私たちの子ども世代へ、孫の世代へと連鎖していく。
⑵見えざる弱者(精神疾患など、何かしらの生きづらさを感じている人たち)の可視化、世間への理解、支援を広げること。
また、彼らが自分の力で生きていくための知識や方法を発信し、伝え続けること。
⑶貧困や精神疾患を抱える見えざる弱者たちに、「自分を知ってもらう」こと。
「自分が今どういう状況にあるか、なぜそういう状況にあるか、ではこれからどうすれば生きやすく、豊かな生活が送れるようになるか?」を考えるための方法や知識を共有し、負の連鎖からの脱却・より豊かな人生を送ってもらうこと。
これらの活動を始めるにあたって、最も大事なことは「より多くの人に伝えること、知ってもらうこと」である。
知ってもらわないと、こちらがいくら支援をしようとしても理解してもらえない。
当事者ですら自覚がないので、負の連鎖を止めることはできない。
例えば私が「見えざる弱者たち、愛着障害をかかえる人たち、貧困に苦しむ人たちに支援を!」とマニフェストを掲げても、「どうして俺たちが払った税金を、そんな奴らに使われないといけないんだ?」と言われてしまうことは目に見えている。
だからまずは、より多くの人に知ってもらわないといけないのだ。
そして自分たちで解決できることから始めてもらう必要がある。
具体的に私個人がこれからやっていくこととしては、
・見えざる弱者についての発信をし続ける
・さまざまなメディアやイベントで露出を増やす
・彼らを実際に支援するための仕組みを作る
ことだ。
負の連鎖が止まれば、貧困や機能不全家族からの脱却につながり、児童虐待を減らすことも可能だ。そして知識を持ってさえいれば、自分の子どもの様子がおかしいと気がつくことができ、早期治療につながる。
これは理想論ではない。たくさんの人に知識さえ共有できれば、根本解決が可能な問題である。
既存のセーフティネットでできる支援には、限界がある。
少子高齢化の時代、ただでさえ労働人口は減りゆくなか、生きづらさを抱えたまま生きる人たちであふれる社会は、いずれ死んでいく。
必ず、どこかでこの連鎖を止めなければならない。
ここまですべて読んでくれた方がいれば、ただただ感謝である。
少しでも多くの人に届いてほしいので、もしよければシェアしていただけると嬉しい。
これらの問題が人々に届くまで5年、10年かかるかもしれない。
それでもいつかは、必ず届くと思っている。
いただいたサポートはさくちゃんとバブちゃんの生活を守るために、そして今後も作品づくりを継続するための活動費として、大切に使わせていただきます! お礼のメッセージは吉川本人から個別にお送りしております。