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BTSよりも前!欧米進出に挑戦していた2大KPOPアーティスト


超無名事務所BigHitから生まれた防弾少年団がBTSと名乗り圧倒的な人気を誇ってから数年経つ。BLACKPINKも含め海外人気の高いKPOPグループが欧米圏の番組に出ることも増えてきた(事務所は限られるが)
でもこれはBigHitやYGだけの功績ではない。今のKPOP市場が過去様々なグループによって築き上げられてきたように、KPOPの海外進出もいろんな挑戦の賜物なのだ。ということを皆に知って欲しいし忘れて欲しくないと思っている。

アジアの決して大きくない国の音楽がどのように挑戦してきたのか。2大アーティストを少し振り返ってみる。

2008年 BoA/SM entertainment

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日本ではもはやJPOP歌手として認識されておかしくないBoA。日本進出の先駆者であり、SMエンターテインメントが大事に育ててデビューした韓国のスーパースター。そんな彼女は、KPOPの欧米進出をも第一人者として挑戦していた。

日本での最ピークは02年~06年頃だったが、彼女は08年に『Eat You Up』というデジタルシングルで全米デビューをした。私はこの曲が大好きで、当時MVを何度も何度も見た。

かっこよくない?当時BoAってこんなイメージあった?
日本での活動はアイドル寄りのソロ歌手で、QUINCY発売時に

「撮影で自慢の腹筋見せたのに(修正で)消されてるんですよ~泣」

と言っていたのを覚えている(確かMステ)。当然私にとってもアイドル的存在だったので、Eat You UpのMVでゴリゴリに踊ってる「かっこいいBoA」は衝撃で魅力的だったし、今思えばBoAの才能を遺憾なく発揮していたのだろう。

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▲QUINCYのジャケ写。本当はバキバキに割れている…

その後09年に全米デビューアルバム『BoA』をリリース。日本ではこのアルバムとベストアルバムをセットにした2in1アルバムとして『BEST&USA』が発売されている。めっちゃくっちゃ聞いたなあ…(遠い目)このアルバムはビルボードhot200の127位を記録、韓国人歌手として初のランクインを果たした。

BoAの海外進出は商業的に成功とは言えなかったかもしれないし、実際その後目立った活動はしていない。BoA自身もアメリカ進出はかなりしんどかったようで、後に「凄く孤独で苦しかった」と言っている。でも彼女のおかげでKPOPの欧米進出という道が形成され始めたことは間違いない。


2009年 WonderGirls/JYP entertainment

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「Nobody Nobody But You~♪」というフレーズを一度は聞いたことがあるだろう。07年韓国デビューの後『Tell Me』『So Hot』そして『Nobody』と韓国国内でヒット曲を連発し大人気グループとなった。今ソロで活躍しているソンミも初期メンバーである。『Nobody』は今もたくさんのアイドルや練習生がカバーするほど国民的ヒット曲である。これ流れてきて踊れない韓国人居ないんじゃないかな…(主観)


▲アメリカ活動は全て既存曲の英語verなので原曲を。

韓国での人気が絶頂の時、WGは突然アメリカに行った。オタクとしては「え、アメリカ?無理っしょ…」という気持ちだった。やっぱりアジア人の音楽が欧米圏で人気を得られると思っていなかったのだ。
でも彼女たちはニューヨーク等を回るツアーを行い、ジョナスブラザーズの前座として彼らのツアーに帯同した(全部バス移動で超しんどかったらしい)。ジョナスブラザーズよ?すごくない??そうしてプロモーションを行ったあとに発売した『Nobody』英語Verはビルボードhot100で76位を記録した。これは韓国人女性歌手として初の快挙だった。

その後もアメリカを含むツアーを何度か行っている。彼女たちの活動も目覚ましいものではなかったかもしれないけれど、確実に今につながる切り口となり基盤を築いてくれたのである。


その他SM/JYPによる海外戦略

BoA、WonderGirlsで足がかりを築いた2大事務所は、その後の「グループ編成」から海外進出を視野に入れていた。


JYP所属アーティスト

★2PM

08年韓国デビュー。タイと中国系アメリカのハーフでアメリカ生まれタイ育ちのニックン、韓国釜山で生まれアメリカに移住し育ったテギョンが居る。余談だが、テギョンはアメリカ永住権所持者のため兵役義務免除とされていたが、永住権を捨てて兵役義務を果たしたというスーパーサンナムジャ・・・

★miss A

10年韓国デビュー。中国人のジアとフェイ、JYPアメリカの練習生だったミン、韓国人スジで結成。スジは「国民の初恋」として愛され、主に中国市場を目指したグループだった。

★GOT7

14年韓国デビュー。LA出身の台湾系アメリカ人マーク、香港出身ジャクソン、タイ出身ベンベンが居る。ワールドツアーを精力的に行い、韓国国内よりも海外人気の強いグループだった。特にタイでの人気は凄まじい。

★TWICE

15年韓国デビュー。日本出身のミナ・サナ・モモの3人、台湾出身のツウィが居る。日本人メンバーを擁して大人気となった初めてのグループであり、韓国国内でも大衆人気を博し、国民的アイドルとなった。


SM所属アーティスト

★SuperJunior

05年韓国デビュー。当初メンバーは13人で、アメリカ育ちのキボムと中国出身のハンギョンが居た。2人とも09年までに脱退している。派生ユニットとして中国向けのSuperJunior-Mがあり、中国出身のチョウミとカナダ出身のヘンリーが居た。

★少女時代

07年韓国デビュー。アメリカ出身韓国系アメリカ人のティファニーとジェシカが居る。ジェシカは後に脱退。日本でも爆発的人気となり、KPOPにおけるガールズグループのトップオブトップである。

★f(x)

09年韓国デビュー。中国出身ビクトリア、アメリカ出身台湾系アメリカ人アンバー、アメリカ出身韓国系アメリカ人クリスタル(少女時代ジェシカ妹)が居る。他2名の韓国人メンバーが「私たちはただの韓国人です(笑)」と自己紹介するほど当時まだ珍しい多国籍グループだった。

★NCT

16年韓国デビュー。海外メンバーが居すぎるので紹介は割愛。韓国・日本・アメリカ・カナダ・台湾・香港・中国・マカオ・タイを国籍とするメンバーで構成されている。総勢23人のため人数を絞ったユニットでの活動がメインで、グループの制限を持たず無限拡張をコンセプトにしている。

★SuperM

19年デビュー。SHINee、EXO、NCTからメンバーを集めてアメリカのレコード会社と合同で結成されたグローバルグループ。アメリカでの活動を精力的に行っているが、ベースグループが異なるため大きな活動は難しそうに見える。


こうして見るとわかる通り、SMとJYPは古くから海外への挑戦を続けていた。政治的・資金的・戦略的様々な要因によって海外で花が開くことは多くなかったが、礎を築き海外からアイドルの卵を集めるきっかけづくりをずっとしてきた。そして今やメンバー全員韓国人の方が注目を浴びてしまうほどになっている。

現在、JYPは20年に虹プロジェクトを繰り広げ全員日本人メンバーで構成されたNiziUをデビューさせ、次はアメリカ版も?と噂されている。SMは21年、アメリカのMGMとタッグを組みNCT Hollywoodを結成するプロジェクトを進行予定だ。共通しているのは【海外の人材だけで構成したグループの誕生】というフェーズに移行していること。

そう考えれば、オール韓国人で世界に挑戦したBTSは異色で異例である。


各事務所アプローチの仕方は異なれど、韓国音楽市場がずっと取り組んできた世界進出への挑戦はついに花開く時代になったのであろう。個人的には、音楽を始めとした芸術の分野は特に、国境を越えて愛される文化であり、そこには難しい政治的なしがらみや思考は必要ないと考えている。各々の根拠に基づいて判断していることについてとやかく言うつもりはないが、私は純粋に心揺さぶられるKPOPをこれからも大好きでいたいし、もっと多くの人に愛されて欲しいと願っている。


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