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留学中にMMORPGを始めたのちゲーム会社に就職することになった話

夏まで就職活動をしていた。

文系学部卒、外国語系。1年弱の留学をしてはみたけれど、選んだ進路は翻訳や海外営業などではなく、色々あってゲーム会社に就職することとなった。

なぜか? 留学中に始めたあるゲームに夢中になり、「私もこんなゲームを作りたい!」と強く心に感じるものがあったから。

そのゲームとは、FINAL FANTASY XIV である。

FF14とは

重厚なファンタジーの世界と物語を軸に、プレイスタイルによって様々な楽しみ方・暮らし方ができるファイナルファンタジーシリーズの14作目。……といっても、前作FFをプレイしていなくとも楽しめるし(現に私にとって初めてのFFである)、「FFのテーマパーク」たる過去FFへのオマージュがちりばめられているため、FFファンにもたまらない作品である。

メインストーリーでは、一介の冒険者である主人公が旅で出会う人々を助けていくなかで「光の戦士」と呼ばれる英雄になっていき、魅力的な仲間達と共に世界の危機を救う様が描かれる。18のジョブから自由に武器を選び、爽快なアクションでダンジョンやレイドバトルの数々攻略。さらに、主人公の外見カスタムや着せ替え、釣りなどの採集やアイテム作成、家を持って内装を自由にカスタマイズできるハウジング、麻雀やミニゲームなども。パッチ更新というもので数か月毎にどんどん新しいコンテンツが実装され、日々進化するゲームだ。

FF14、おもろ……

始めたきっかけは、友人が楽しそうにゲームのスクリーンショットをSNSにアップしていたこと。「最近ファンタジー摂取してないし、なんだかセールしているみたいだからインストールしてみるか」と思い、PC版を購入。遠くからチマチマシュババと攻撃するのが好きなので、はじめの武器は弓を選んだ。

大きなクリスタルとの交信を経て、わけもわからぬまま森に放り出され、冒険が始まる……。しかし、はじめのうちはひよっこ冒険者として宿にも足を踏み入れることが許されない。「そんなものか~」と思いながら町の人々の「おつかい」クエストを引き受けるうちに、縁が生まれ、力を手にし、いつのまにか冒険者は「英雄」として祀り上げられることとなる。

ゲームって、ものすごい物語体験だ

FF14のストーリーの重厚さ・丁寧さは特に優れているとされる。過酷な試練を乗り越え、仲間と出会い、時に失いながら世界を救う王道さの中に、私は独特の丁寧さを感じた。それは、それら重厚なストーリーとゲームシステムとの組み合わさり方だ。

一見面倒に思えるお使いクエストでさえ後に大きな意味が持たされることがある。「貴方は覚えていないかもしれないけど、貴方に救われた人間です」というように、主人公の小さな行動で誰かの生きた時間を変えたことが示され、今までのプレイ体験が思い出される……いや、実はおつかいクエストなんて多すぎて、いちいち覚えていないことの方が多いのだが。しかしそんな非情にも思える感覚も、ある種英雄らしさの疑似体験をさせてもらっているのだろう。

ストーリー上の伏線や世界観設定によって物語の説得力を出しながら、ゲームならではの体験でもある「自分=主人公」であれる仕掛けがそこかしこにある。私は映画も漫画もゲームも好むが、これほどの物語体験は初めてだった。

コミュニケーション

もうひとつ、「14らしい」「MMOらしい」面白さといえば、人間とのコミュニケーションだろう。

MMORPG《massively multiplayer online roleplaying game 》…オンラインゲームの一。インターネットを通じて数百人から数千人規模のプレーヤーが同時参加するロールプレーイングゲーム。(https://www.weblio.jp/content/MMORPG)

街に降り立つと様々な種族の冒険者、いや光の戦士(通称”ヒカセン”)が自由に過ごしている。ダンジョンを攻略する際は、自動マッチングで集められた数名のヒカセンたちと、ほぼ一期一会の十数分を過ごすのだ。

当然、画面の向こうにいる生身の人間とのセッションでは、予期せぬことも起こる。稀に困ったさんに遭遇することもあれど、大抵は楽しいハプニングだ。

先日、特殊な大規模フィールドを探索する「南方ボズヤ戦線」というコンテンツが実装された。クエストで「とりあえずこの雑魚を倒してきてね!」と言われ、拠点付近のモンスターにえいやっと攻撃を仕掛ける……すると、雑魚的なのにめちゃくちゃ強くて危うく死にそうになった。「一番防御高い暗黒騎士にしてこんなことあるか!?!?」と混乱しながら拠点入り口まで戻り、なんとか雑魚たちを倒す……と、隣には同じく雑魚に今にも命を奪われそうになっているナイト(騎士)さんがいるではないか! 瞬時にPT勧誘を投げ(PTを組むとバフを共有して強くなれたりする)、息も絶え絶え雑魚敵を倒し終えた。

まったく見ず知らずのプレイヤーと、「いやあ、来たばかりでよくわかってないけど敵めちゃ強いっすね」「よくわからんすよね、怖いのでこのままPT組んでいきません?」などと意気投合。かくして、戦場に明るくない初対面の暗黒騎士と騎士がタッグを組んで、わからないなりに駄弁りながらフラフラと戦場をさまよったのだが、これがとても楽しかったのだ。

ストーリーやコンテンツ自体の面白さもさることながら、それを一期一会の人とPTを組んで連携プレーや駄弁りができたとか、街中や大きな討伐イベントでFC(ギルドのようなプレイヤー組織)の人やフレンドと出くわしてハイタッチしあったりだとか、「今ぐうぜんその時の自分にしかできなかった体験」ができたときの満足感までも、心に残る非常に大きなものだった。

(この記事では記載しないが、メインストーリー自体もメチャメチャメチャメチャメチャメチャ心に残る素晴らしいものです。しかしそれは自身で体験してこその物語だと強く感じるので、ぜひプレイしてみてください)

出会っていなかったら、違う人生になっていた

そんなこんなで留学中の時間に余裕のある期間、私はFF14に夢中になった。今まで漠然としていた就職に関しても、「やっぱり私は面白いコンテンツを作りたい」という自分の正直な心に従うことにし、紆余曲折を経て、春からはとあるゲーム会社でプランナーとして働けることなる。プランナーとは、プロジェクトによって役割は様々だが、私が夢中になった「ゲームでの物語体験」とか「仕掛け」を作ることに大きく携われる職種だ。

今までもDSやブラウザ・スマホゲームなどは楽しんでいたが、あのタイミングでFF14に夢中にならなければ、ゲームを作ることを仕事するという発想にならなかったのではないかな、と思う。

FF14は私の人生を変えたゲーム、と言えるだろう。


終わりに

この記事を最後まで読んでくれたあなたは、もしかするとこの世界のどこかで旅をするヒカセンかもしれない。あるいは、「まだ14やったことないけどこんな人もおるんか~」と思った方かもしれない。

そんなあなたに、フリートライアルというものが存在する。

新生エオルゼアテーマイラストのチョコボのしりはとても愛らしいので、ぜひチェックしてみてほしい。

(「フリートライアルというものが……」はヒカセンが使いたい構文の1つなので、ダイマね…などと思わず気軽に聞き流してください)

#心に残ったゲーム #自己紹介 #コンテンツ会議 #FF14  


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