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2月に出会った音楽、そのメモと小噺など

早いもので2020年も始まって3ヶ月目に突入しましたが、思い返せば年明け中国経済から始まり、2月から本格的にコロナウイルスによる影響が日本、ひいては世界に広がっていくターニングポイント的な、激動の月間となっていたような気がします。

3月になった今、日本のみならず全世界でイベントの自粛、クラブやライブハウスの営業停止など起きていて、アーティストもビザが降りなかったり、SXSWは中止、コーチェラは延期と大規模フェスもその余波を受け大変なことになっています。今後どうなっていくのか・・って感じですが、経済的に体力のないプロモーターや企業、アーティストなどにとってはかなりの痛手なはず・・。少しでもお助けできれば良いのですが、何かグッズなど販売して頂けないでしょうか・・。

さておき、今月も「先月聴いていた音楽のコーナー」です。なお、前回(1月)の分については下記ご参照ください〜。

あ、ちなみに筆者が見つけ次第ポンポンと投げ込んでいるだけなのですが、2020リリースの曲を集めたプレイリストもあります。曲順全然関係ないのでシャッフルで聴いていただいても良いかもしれません。

それではどうぞ〜

★2月出会った中で良かったアーティスト9選

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①Daisies「Out of The Blu」

ワシントン出身のCCFXのメンバーらによる別プロジェクト?シューゲイザー寄りのざらついたギターサウンドを鳴らしていたCCFXと比べ、軽やかにレイドバックしたサウンドが心地よいです。とはいえ単なるローファイポップではなく、展開の読みづらいサウンドプロダクションで、ノイジーな感じがたまにアンビエントっぽくも聴こえる面白い作品。

「Cherries」EPがK Recordsからのリリース。

②Zebra Katz「UPP」

ゼブラ・カッツの新曲、一筋縄ではいかない実験的ヒップホップで、トライバルなビートに合わせて太いボトムに囁くように入るVoがなんとも言えない癖になるサウンドですね・・。グレース・ジョーンズの「Corporate Cannibal」を思い出しました。攻撃的なサウンドはありつつも、「UPP」はなんというか溶けるようなドープさに中毒性があるというか。

アルバムリリースが3/20になるそうなので、そちらも楽しみです。

③Greg Mendez「Freak」

フィラデルフィアのフォークSSWということで、アルバム『Cherry Hell』は気持ちいいギターサウンドが展開する名盤でした。『¯\_(ツ)_ / ¯』というタイトルのアルバムを出したり、なかなかユニークな方。

フォークのセオリーは感じつつも、時折シューゲイザーばりにギターのサウンドレイヤーがあったり、モダンなアプローチもあります。筆者はなんとなくグレアム・コクソン初期の『The Sky is Too High』を思い出しました。

④Kennebec「Kalahari」

ここ最近だとCloZee「Koto」Gaijin Bluesみたいに、日本の歌謡曲をEDMでリミックスするみたいなムーヴメントを俄かに感じているのですが、それは別の位相だとフォーテットがツィターをフィーチャリングしたような楽曲に見られる、一種のエキゾチシズムなのかもしれません。

USポートランドを拠点に活動する映像音楽家、Eric Phillipsのソロプロジェクトということですが、彼は久石譲やNujabesに影響を受けているそうで、なるほど、どちらにも聴こえますね。ゆったりとしたスイングの心地よい曲です。リリースされたアルバム『Departure』はどの曲も素晴らしいクオリティでした。

⑤Tami Nailson「Any Fool With A Heart」

カナダ出身、現在はニュージーランドを拠点に活動されているカントリー&ソウルのSSW、タミー・ニールソン。失礼ながら私は存じ上げておりませんでしたが、ニールソンズというグループのメンバーとしてカナダで活躍後、ニュージーランドのカントリー・シーンで功績を残されていたとのこと。

スイングの心地よいサウンドと伸びやかで力強いヴォーカル、古き良きロカビリー、カントリーっぽさが最高です。

⑥Louis Prince「The Number Thirteen」

ナッシュヴィル拠点のバンド。プログレっぽさもありますが、時折見せる曲展開がサイケ+ポストロックぽくて現代っぽいなーと思いました。あと余談なんですけどこの跳ねるようなドラムの感じから筆者はYamon Yamonを思い出しました、良いバンドですね〜。

⑦The Mauskovic Dance Band「Ventura Phase」

どこかのレアグルーヴか、アナログ・アフリカのコンピレーションにありそうなアフロ系のサウンドというか、ファンクが根底にあるとは想うのですが、そこはかとなくサイケの香りが漂っていて、「Ventura Phase」はファンク、「Squeeze Dogs」なんかはダブっぽかったりと、「Shadance Hall」EPはたった4曲ながらヴァリエーション豊かな傑作でした。これはもう堪らぬ・・。

⑧Disq「Loneliness」

USはウィスコンシンのインディー・ロック・バンド。ここ最近出てきていたバンドはこういうサウンドよりはネオ・サイケっぽいシンセポップやドリームポップっぽいサウンドが多かった気がするので、オーソドックスなサウンドプロダクションが頼もしいなあと思います。アルバム楽しみです。

⑨Ian William Craig「Weight」

カナダ出身のアーティスト、マックス・リヒターやハウシュカ、ヨハン・ヨハンソンなどの楽曲をリリースするファットキャットのサブレーベル130701からのリリース。

ポスト・クラシカル然としたピアノ・サウンドに紛れ込むノイズがマックス・リヒター『Infra』のようで、美しくもどこか儚げな世界観を醸し出しています。ヴォーカルの入り方も素晴らしいです。

余談)

2月は展覧会に向けた制作(油絵)をしていたりしたため新作をチェックしていたものの、制作時に聴きたい音楽も並行して聴いていて、なんだかわけのわからないまま過ぎてしまいました・・。楽曲ラインナップとして取りこぼしてしまいましたがSomniや、Emma-Jean Thackrayなんかもすごく良くって、2020年も月初からいい曲ばかり出てくるな〜と思っていました。

なんというかジャズの複合ジャンル的な、アンビエント+ジャズだったり、ヒップホップ+ジャズだったり、Moses Boydやアンダーソン・パークのようなアーティストがここ最近増えてきているように感じています。

10年くらい前にジャジー・ブレイクというジャンル(フレディ・ヨアキムとか)が出てきたと想うのですが、その系譜なのかな?

1月と2月のベスト・ディスク的なものを選定しようと思っていたのですが、なかなか決められず難航したため、また別の機会にまとめます!

15/03.20 Ogri

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