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さらなる「創造性」を求めて、建設業の最適化へチャレンジ。公務員からスタートアップへの転職。(ドメインPM・小林)

「テクノロジー × リアルビジネス」で建設業を最適化するBALLASのプロダクト本部メンバーのインタビュー記事です。

公務員から建設スタートアップへ大きなキャリア転換をした小林さん。BALLASのミッションである「建設業を最適化し、人々を幸せに。」この言葉には、生産性を改善しながら、創造性を磨く仕組みをつくることへの思いが込められています。小林さんが建設業界の課題に向き合う想いや、プロダクト開発における業務・役割などを聞いてみました。


━━ 最初に、小林さんのご経歴を教えてください。

大学で環境工学を学ぶ中で土木や建築に関わるような仕事に興味を持つようになり、建設系技術職の公務員として地元の市役所に就職しました。
市役所では、道路整備・橋梁管理の部門で、図面を起こして予算要求・発注・現場監督をしたり、都市計画・建築手続の部門で、提出された図面をチェックして許可を下ろしたり、建築のルールを決めるための条例案を作成したりしていました。

実務に携わるうちに、もっとITを通じて建設業界を盛り上げたいと感じるようになり、建設業向けの施工管理アプリを開発するシステム会社に転職しました。
アプリを活用提案するフィールド営業として入社し、そこから得られた顧客要望をシステム開発に活かすようなドメインPM業務も経験しました。

━━ スタートアップへの転職の経緯を教えてください

市役所での業務は、まさにそこにしか存在しないまちづくりを実現できる「創造性」がとても魅力的で非常にやりがいを感じていました。
ただ、思っていた以上にアナログで、設計した図面の中にある構造物の数量を漏れなく集計したり、何百枚もある調査写真を帳票にまとめて報告書を書いたり、それらに見落としがないか何重にもチェックしたり、と単調な繰り返し作業に何時間もマンパワーをかけていることに疑問を持つようになりました。

そんな中、建設業向けの便利なアプリやシステムが普及されつつあることを知りました。むしろこういったツールを建設業界全体で活用できるような役割を果たす方が、社会のためになるんじゃないかと思い、建設業界のスタートアップへ転職しました。

━━ BALLASに感じた魅力を教えてください

前職のシステム会社の施工管理アプリを初めて触ったときには衝撃的でした。建造物点検の膨大な写真整理で苦戦してきた自分にとって、図面管理と写真整理がうまく連携してくれるような動きは、決してアナログ作業では実現できないものでした。施工管理という視点から見ると、とても付加価値の高いシステムだと思います。

けれども、BALLASはそれ以上に広い視野で建設業全体を捉え、特に建築・建設の重要なファクターである一品一様の成果物を提供する「創造性」にしっかりと着目していました。そして、それを実現するための課題に対して真正面から挑戦している、そんな企業の姿勢に魅力を感じて、転職を決めました。

━━ 調達領域での業務経験はないとのことですが、どのように解像度を高めていかれたんですか?

正直なところ、入社するまでは調達領域での実務経験がなく、何やら自分の知らない根深い課題があるらしい、という感覚でした。

パートナーサクセスチームに所属し調達業務を担当する中で、それまでごく当たり前だと思ってきた依頼受付・見積・作図・手配といった流れそのものに、大きな課題があることを実感しました。
建設に関わる製品の作図をされてきた方はご存じだと思いますが、建設現場で用いられる施工図面と製作現場で用いられる製作図は、表現する情報の粒度が大きく異なります。これにより、上流工程での不備に気づけず下流工程で大きな手戻りが生じたり、といった課題が生じます。このような情報の断絶による課題を、作図効率化や図面情報の最適化を通して、解決していきたいと考えています。

少し大きな話になってしまいますが、新たな創造性が必要となるような部分については知見や経験のある人が注力できるよう、単調な繰り返し業務は、マンパワーからシステムに転換して各プレイヤーの力が発揮できる社会になるべきだと考えています。

━━ 現在のBALLASでの役割をおしえてください。

前職までに積み上げてきた建設業界における業務経験や、入社後の調達実務経験を活かしたドメインPMという役割を担っています。

現在は、開発を予定しているシステムで解決すべき業務課題の特定や、必要な機能について要求定義を行っています。

BALLASのシステム開発では、私のような建設業界のほか製造業界での業務経験があるドメインエキスパートも要求定義を行います。その後、システム開発経験者とともに要件を定義した上で、エンジニアメンバーと実現方法の検討を行うという体制で開発を進めています。

参考:ドメインPM:「ドメインエキスパート」×「プロダクトマネージャー」の意。建設や製造業界といった特定ドメインの専門知識を有したプロダクトマネージャー。

━━ ドメインPMという役割に触れていただいていますが、具体的にはどのような業務をされていますか?

ビジネス部門とプロダクト部門の架け橋となるような業務をイメージしていただけるとよいかと思います。

調達業務の課題を解決するシステムの検討を行っていますが、実務経験者として業務フローの課題定義の作成や、業務に関係するデータの洗い出しを行い、そしてそれらがどうなるべきかという案をプロダクト本部内のメンバーに共有します。
このとき、概念図を作ったり、表を組み合わせたりして、システムの開発段階や機能範囲に応じた粒度で、試行錯誤しながら方針を共有し、議論を進めていきます。
同時に、ビジネス部門に向けても、作ろうとしているシステムの開発方針を共有し、フィードバックを受けます。

ビジネス部門と、プロダクト部門の双方の課題として、各々の業務領域に対するドメイン知識の浅さがあります。そのため、そのギャップをシームレスに連携できるように架け橋となるような役割を担っています。
要点を押さえてお互いの思惑を可視化するのは意外と苦労しますが、要求定義がクリアであればあるほど、コミュニケーションがスムーズになっていくのでやりがいを感じています。

━━ 長く建築・建設業界に関わられていますが、小林さんにとってこの業界で働くやりがいとはなんでしょうか?

建設業の最大の魅力は、個別の現場の状況、例えば、周辺の街並みや利用を想定している人たちの様子、敷地の範囲や地盤などなどを正しく捉えつつ、施主や社会の要請に応じた最適な構造物を作り出す「創造性」にあると思っています。

出来上がったものの一つ一つには、必ず何か自分が工夫を凝らした設計・施工要素が物語のように詰まっていますし、仕上がりが思いどおりの空間になっていると非常に愛着が湧く感覚になるんです。

━━ 最後に、小林さんが働く上で大切にしていることを教えてください。

「言語化」を大切にしています。
日常のコミュニケーションで、自分が理解したつもりでも違っていたり、伝えたつもりでも伝わっていなかったり、というのは業務を進める上で大きな機会損失になってしまいます。
まずは自分の言葉にしてみる、それは既知の文脈と比較して吞み込める内容か、自分の言葉は正しく人に伝わる内容になっているか、伝えたあとの相手の反応はどうだったか、を意識して、何回も咀嚼して言葉を作るように意識しています。

自分の得た知見を正しく蓄積し、その価値を社会や会社に残せる人材になっていきたいです。


穏やかな口調で建設業への愛着を語る小林さんですが、業界への強い使命感を感じる姿勢にいつも刺激をもらっています。
小林さん、ありがとうございました。

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