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覚書

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わたしが消えたくなった夜のための
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#私のプレイリスト

贅沢な二週間

贅沢な二週間

 歳を重ねるごとに誕生日の過ごし方がわからなくなっている。

 毎年の誕生日を“誰かに祝ってもらう”ことが確定しているわけではないわたしみたいな人間は、どうその一日を過ごすかを自分が考えてあげなくちゃ、ただ孤独を感じる一日になって、特別さが薄らいでいく気がする。わたしはいくつになっても自分の誕生日にうきうきしていたいよ。

 そんなわけで、今年の誕生日、わたしはずっと念願だった免許合宿に行くことに

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朝寝坊

朝寝坊

 布団から出られなくて魘されるとき、今もわたしは未だ、ずっとなにかと必死に闘っていた頃の自分を思い出す。

 六月は、一年のなかでわたしが二番目に不調になる月だ。この時期は雨や曇りばかりで朝日が差し込まないし低気圧が襲うから目覚めは最悪である。昼まで寝てしまうしそのせいか身体が一日中重くて頭もぼうっとしてやる気も起きない、寝たい、ただ眠りたい、なにもしたくない、そうやって孤独感をすっぽり頭まで被っ

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