2023/12/8,9 家にいました。人生の楽園。

8,9と言わずに家で寝ていました。
なんなら現在も寝ようかとも思っています。ずっと横になっているのとつらいのは腰が痛くなってくることです。
毎日立ち仕事の人も骨格のバランスが悪くなるので、適度にストレッチなどを通して横になることが必要である。しかしずっと寝ていると、本来重力に対してうまくバランスをとっている骨格が、ゆがんでくる。
体をもって学びが生まれた。少しは動かなければいけない。

そんな話は置いておいて、家にいたので特に書くことが無いから、とりあえずは合併号として8,9はいっしょにまとめて書く。
では10日はどうなのか、といわれるとこれもまたどうしようもないので、10,11も合併号で出そうと思う。
ああこわい。合併号は読者が去ってしまいやすい。ジャンプも合併号だと2週間と時間が空くことで読んでいなくても大して生活に影響はないと気付いてしまうのだ。ああこわい。

ひとまず8,9日といろいろなテレビを見たが、なかでも面白かったものの話をしたい。

人生の楽園 1時間スペシャルを見た。
土曜日の夕方、2000年放送開始の長寿番組である。UターンIターンで田舎暮らしをする家族を紹介する番組だ。私は記憶が全くないのだが、開始長所はいかりや長介氏が案内人を担当、その後2003年から西田敏行氏が後継している。
この番組はまあ子供は面白いと思わないだろう。今の生活に疲れている大人が見る番組だ。私はこの番組を暇で仕方がない大学生のころに録画してでもみていた。当時はこの放送の後にごはんジャパンという全国の名産品をめぐり、その場でシェフが料理して生産者に食べてみてもらうという番組だった。これがとても面白くて見ていたがいつのまにか放送が終了していた。
人生の楽園も好きなのだが、いまとなっては土曜日の18時は労働しかない。お笑いをやるかウーバーをやるか、これに限られているから見ることができていなかった。
ちょうど風邪で休んでいるときに1時間スペシャルだ。このスペシャルも「西田敏行20周年スペシャル」というタイトル。見るしかない。

番組の前半はいつも通りの田舎暮らしの家族の話を紹介していた。青森県三戸郡五戸町とう、「へ」の多さにとまどう町だ。
ここで古民家・農家民宿を営みながら生活している夫婦、子3人の5人家族だ。空が広く高い田畑で米や野菜を栽培している。子供たちも農作業に協力する様は誰もがほほえましく、うらやましく思う生活だ。
ただ、ツッコミどころというか、面白いポイントはいくつかあった。
このご夫婦の夫は、かつては都会でサラリーマンをしていたが、実家の農家を継ごうと思っていた。奥様は関西の出身で、将来は農家になりたいと思っていたが特につてがなかった。そんななかで、知人の紹介で農家になろうとしている男がいると聞き、この旦那さんを紹介され、その場で結婚したいと思ったそうな。
これはとても面白い。面白いというか、ちょっと気持ち悪さもある話である。
農家になりたいから農家になろうとしている男性と結婚したい、というのはまだなんとなく日本の将来を考えた時にいいことっぽく聞こえる。しかし、これが農家ではなく、将来マンション・アパート経営したいから地主ないしは大家さんと結婚したい、と言っていたらどうだろう。めちゃくちゃ嫌な女じゃねえかと思ってしまう。
農業従事者と聞くだけで、なんだかいい人の気がしてしまうのは発見だった。

話は変わって、田舎の後継者不足問題についての思い出があるので話したい。田舎の人手・後継者不足で問題になっているのは女性が足りない、子供がいないというのが問題になっている。これ、書くだけでちょっと嫌悪感があるが、ようは子供(働き手)が増えないことが問題なのだ。
テレビドラマなどでは家業を継ぐことを嫌がって都会に出る若者の話はよくあるが、これは裏を返せば多くの田舎の若者(なかでも長男、男の子)は家業を継ぐからこそ物語になるのだ。
いまでも農村部の男の子は家業を継ぐことが多い(データはない)。となると、働き盛りの男の子一人は田舎に残るが、次男から女の子はみな都会に出てしまう。
そこで、田舎ではとにかく女性を連れ込みたい気持ちが強い。すごい決めつけだな。

というのも、いつ見たのか忘れたのだが、とても怖い夕方のニュースを昔テレビで見た。地方のニュースで「田舎に残る伝統工芸を将来に残すための活動」ということで村をあげて、都会から若い人を10人弱くらい住み込んでもらって伝統工芸に挑戦してもらうということをやっていた。
確かに農村部に残る伝統工芸を将来に伝え残す活動は重要だと思う。しかし、若い人に挑戦してもらうことが目的であったはずだが、なぜだか参加者は25から30歳くらいの女性ばかりであった。男性がいない。
アナウンサーの方が参加者に伝統工芸の楽しさや伝え残したい意気込みをうかがっていた。話の拍子に全容が見えてきた。この参加者女性の半数位がすでに村の男性とお付き合いをしていることが分かった。
これについてスタジオで見ている出演者は「ひゅーひゅー!あついね!」みたいな平和な雰囲気で終わっていたが、私は怖くて怖くてたまらなかった。
男性の参加者がいない時点で変だなあと思っていたが、参加者女性たちがすでに村人と付き合っている。これは伝統工芸を隠れ蓑にしたお見合い会なのだ。
なんか気持ちわりいなと思った。なりふり構っていられない状況というのは百も承知だが、な~んか嫌だなあ。当然、お見合い会をやりますと言っていては人は集まらない。文化祭の準備で付き合うアベックが多いのは、文化祭の準備を終わらせるという一つのゴールを二人で目指すからこそだ。
また、女性としても出会いの場所であると書かれたところに参加するのは二の足を踏んでしまう方も多いだろう。なんだかがっついているような黒星をつけられたような。

うまくやっているな。この村の名前もいつどの番組で放送されたのかも覚えていない。しかし私の中にずっと残っているお話である。

人生の楽園に話を戻す。番組後半は西田敏行氏のこの番組20年の歩みが流れていた。
あるときは沖縄の離島の夫婦の農業を手伝ったり、震災後の復興をめざす地元福島のご夫婦のもとを訪れ「もしもピアノが弾けたなら」をアカペラで歌ったり、小中高時代の同級生とバスで思い出の地を訪れる様子などがな流れた。

良い番組だなあ。とくに中学の思い出のシーンは面白かった。むかし、同級生でキャンプに行って帰りに歩いて歩いて、お金がないけども風呂に入りたいと温泉宿へ行くと、女将さんが「おまえらからはお金はとれないよ。出世払いでいいよ。入ってけ。」とお風呂を御馳走になったそうだ。
それからあらためてみんなで行って、あのときのお礼と出世払いをしようという話があった。これはとてもいい話だなあ。
50年の時を経て、お礼を言いに行く。女将さんもご健在で立派になったなあと強い握手を交わしていた。泣ける話である。これくらいで感動してしまう年齢になりました。
もちろんであるが、出世払いと言っていたお金は払っていなかった。そういうもんだな。

たまたま西田敏行氏が超大物になったからこそ、こうして映像として残ったが、こういった埋もれたアツい話が日本各地にあると思ったら、それだけでなんだかいいなあと思う。

エンディングテーマソングは変わらず今年亡くなった谷村新司氏の「Hert in Hert」だ。これがまたいい曲で、一度聞くと皆さんの頭の中に
「アイワナセイ!ハーインハァアアン!」という部分が繰り返し流れることだろう。いい曲である。
この曲をフルで聞きたいなあと思っていた大学生時代、Youtubeにある動画を発見した。「1960年卒業生同窓会」みたいなタイトルの動画であった。これはなんだと思って見てみると、タイトル通りとても年をとった男女の記念写真がHertinHertをBGMにスライドショーが流れるというものだった。
今思えば、仲間内だけで見られるようにしようとしたのだろうが、間違えて全世界に公表してしまったのだろう。
私はなんだか、いい動画だなと思って何度か見ていたのだが、これを機会に検索してみると検索に引っかからなくなってしまっていた。おそらく誰かが非公開にするように言ったのか、著作権の問題で非公開になってしまったのだろう。
でも、あの動画すごい良かったんだよなあ。お年寄りがとても楽しそうな顔でお酒を飲んでいる写真はそれだけでなんだか心穏やかになる。
ぜったいにあり得ないが、これを読んでいるかたに心当たりがあればご連絡ください。動画のデータを送ってください。また見たいです。

さて、今日は合併号と言うことでながながと人生の楽園について書いた。別に毎週絶対に見ないといけないという番組ではないが、とても上質な番組であるから見たことが無い方は一度はご覧いただきたい。

西田敏行氏も映画釣りバカ日誌で、その年の重ね方は我々も見てきた。しかし、ふとこの番組をみれば、ああこんなに年をとったんだなあ。私もいつの間にか年を取っているということだなあと、振り返ることができる。
振り返るにはまだ早いという声も聞こえるが、週に一回30分だけそういう時間があってもいいだろう。

うちの実家の年老いた母は10年ほど前に、この番組を見ながら「ああ、私も楽園にいきたい」と言っていた。しんみりである。

今日面白いと思ったことは「世間が見過ごしている良質な番組の話も今後していこうと思う。書くことが無い時は特に。」

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。