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この国で、この時代にする選択

買い物をするとき、どのような基準で商品を選ぶか。
どんな買い物をするかにもよるけれど、
幾つかの選択肢があれば安い物を選んでいた。
食べ物みたいに口に入れるものは産地や原材料を気にするけれど、
特に日用品は ”安さ” が選ぶ基準の一つになっていた。

それが誰によって、どこで、どのように作られているかなんて考えず。

そんな私の考えが、私のパートナーの行動によって変わってきた。

彼はあらゆる物において、「日本製」のものを探し、購入していた。
洗濯バサミから冷蔵庫まで。
それが他のものよりも高くても、手入れに時間がかかっても。

「これ、どこで作っていると思う?」と、彼が聞いてくる。
想像がつくものもあれば、意外なところで作られていたりして
このクイズがなかなか面白い。

気がついていないだけで、日本中で色々なものが作られている。
どこで作られたかなんて考えずに安いものを選ぶことはできるけど、
例えば、生まれ故郷で作られたコップがあれば
愛着も湧くし少し幸せな気持ちになれる気がする。

日本製を選ぶということは、安心感や品質を重視した選択だと思っていたけれど、
理由はそれだけではなかった。

今では外国製のものが安価に、そして大量に出回り、
大量生産、大量消費、大量廃棄となっている。
そんなことは、なんとなく理解はしていたけれど、
それが資源や環境の問題だけではなく、
それを生産する人々の問題でもある。

日本製と比べて外国製が安価なのはなぜか。
安価ではない日本製のものの価値は安心感や品質だけなのか。

日本で古くから受け継がれてきた技術を使って製造されていたものが
外国製の安価なものに置き換わっている。
日本の伝統的な技術が失われていく危険性はよく知られているけれど、
それは受け継ぐ人が少ないからなのか、
それは私たちがただただ安価なものを求めているからなのか。

もちろん、安価な商品の登場が我々の生活を助けているけれど、
金額だけでなく、生産者のことを考えた商品の選び方もある。

今の日本では、あらゆるものにたくさんの選択肢があり
私たちはその中から選ぶことができる。
今の時代には、それらの商品について調べることができる。
知ることができる。考えることができる。

全然知らない場所で作られたものでも、
物を買うことでその土地を知り、日本を知ることにもつながる。

どんな場所でどんな人がどんな技術を使って”これ”を作っているのか。
そんなことを考えながら使ってみたり。

小さな一つ一つの選択の積み重ねが、
日本の生産者を、そしてこれからの日本を支えることにつながるかもしれない。

そんなことを考える余裕がなくなることもあるけれど、
今の自分も未来も豊かになる選択だと、私は思う。


#未来のためにできること


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