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【告白】とTRAIN-TRAIN

最初に断っておくが、ここでいう【告白】とは、恋愛の延長線上にあるそれではない。湊かなえさんのミステリー小説の【告白】のことである。
最初に断っておくが、ネタバレを含みます。

湊さんの本は初めて読んだ。インスタの読書好きな方々がピックアップしていた本でいつか読みたいと思っていた。ら、近所の図書館にあった。あまり、良い本がない図書館にそれはたたずんでいた。

簡単にあらすじ。
中一のクラス担任を受け持つ先生の退職前の最後のホームルーム。
1章はその先生の話口調で書かれている。
先生の子供が、クラスの誰かに殺される。

生徒と生徒、生徒と先生、生徒と親。親と先生。
いじめ、エイズ、熱血先生、妬み、嫉み、やさしさ、狂気。
Aという一つの事象に対し、それぞれの異なる思惑。
章を重ねるごとに伏線が回収されて、結末は如何に・・・

2章を読んだころから、続きが気になり、数日間の仕事終わりの楽しみになった。中毒性がやばい。
各人間の心の闇を心象化し、それを言語化する。
そこに各人の思惑のずれ。
ダークである。東野圭吾は大学時代数冊読んだが、同じような感じがした。
カカオ75%ぐらいだ。
これ以上カカオが増えると大江健三郎になる。
(芽むしり仔撃ちしか読んだことないけど、あれはカカオ90%はある)

ここからネタバレを含みます。

犯人の一人である修哉は、クラスに犯人ということがバレ、いじめの対象になる。
もう一人の犯人である直樹は修哉に認められたい一心だったが、修哉の本心を知り、怒り、修哉の思惑とは違う結末に持っていく。

弱い者たちは夕暮れ さらに弱い者をたたく
その音が響きわたれば ブルースは加速していく
見えない自由がほしくて 見えない銃を撃ちまくる
本当の声をきかせておくれよ

THE BLUE HEARTS / TRAIN-TRAIN

思秋期特有の心の表裏が犯罪を通して露わになっていく。
読んでいてこの詞が浮かんできた。

話は逸れるが、文中にジャンヌ・ダルクという名詞が出てきた。
仕事中の車内ではいつもポッドキャストを聞いているのだが、ちょうどコテンラジオでジャンヌ・ダルク編を聞いていた。
「TRAIN-TRAINだな」と思った翌日、今日はラジオにするか、とbayFMにしたら、その曲が流れていた。
昔から、人生で初めて知った単語を小説で知り、翌日に違う場所で目にするなどの現象もあった。
読み途中のページを一発で開くなどもあった。
私は、この時は「読書のゾーン」に入っていると思うようにしている。

脱線したが、久しぶりに読書ゾーンに入ったので、大分久しぶりにこのnoteを書いてみた。

土砂降りの痛みの中を 傘もささず走っていく
嫌らしさも汚らしさも 剝き出しにして走っていく
聖者になんてなれないよ だけど生きてるほうがいい
だから僕は歌うんだよ 精一杯でかい声で

THE BLUE HEARTS / TRAIN-TRAIN

犯人はクソッタレな栄光に向かって走る。
娘を失った先生は、世界中に定められたどんな記念日をも恨む。

TRAIN-TRAIN 走っていけ
TRAIN-TRAIN どこまでも

THE BLUE HEARTS / TRAIN-TRAIN

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