ふじしげしげる ビジネスアーキテクチャを語ろう

ビジネスアーキテクチャとビジネスアナリシスのプロフェッショナルです。今注目のビジネスア…

ふじしげしげる ビジネスアーキテクチャを語ろう

ビジネスアーキテクチャとビジネスアナリシスのプロフェッショナルです。今注目のビジネスアーキテクトですがその仕事は具体的にどうするのか、曖昧な状態です。米国のBusiness Architecture Guild®が提供するBizbok®を学びその成果を社会に提供しています。

最近の記事

#21 2つのBA -DX推進の実際-    【顧客の価値を想定する➀】

前回は 「DX推進戦略策定」の手順の1番目である「ビジネスを遂行する組織の現状を知る」の最終回でした。現状を知るためのテクニックの一つとして、ケイパビリティ・マップとバリューストリーム・マップをご紹介しました。またこの2つのマップを合わせてクロスマッピングをすることで、ビジネスの全容を抽象的な(ハイ)レベルで理解可能にすることを解説しました。 ビジネスを遂行する組織の現状を知る⇐前回 目的とする変革によってもたらされる顧客や社会の価値を想定する⇐今回 実行しようとするD

    • #20 2つのBA -DX推進の実際⑩-    【ビジネスの現状把握】

      前回は  DX推進における典型的な障壁について語る番外編をお送りしました。いかがでしたでしょうか。DXを進めていく上で最も重要なのは、全社的な変革に対するマインドセットの確立です。これができれば、半分成功したも同然だと筆者は考えています。つまりそれだけ難しい問題でもあるのです。 今回は  「ビジネスの現状把握」のためのテクニックについて述べていきます。前々回は、ビジネスアーキテクチャを実践する上で最も重要な「ケイパビリティ(能力)マップ」について解説しました。 今回は  

      • #20 2つのBA -番外編-                【DX推進7つの障壁】

        DX推進における7つの典型的な障壁とその対処法 前回予告した、ビジネスアーキテクチャの重要な要素であるバリューストリーム・マップについて解説する前に、今回は番外編として、DX推進において立ちはだかる7つの典型的な障壁とその対処法について解説します。 1. DX推進の意味を理解していない  DX推進の意義が理解されない問題の場合、以下の3つのパターンが考えられます。 経営者がDXの本質を理解していない                  予算やリソースの配分が不十分になり、

        • #19 2つのBA -DX推進の実際⑨-    【ビジネスの現状把握】

          前回は  DX推進のプロセスである「ビジネスの現状を知る」について考えました。「ビジネスの現状を知る」ために、現状のビジネスを構成する要素を抽象化したモデルで表現することを述べました。特に重要なビジネス構成要素を「ビジネス遂行の能力(Capabilities)」「価値創造の流れ(Value Streams)」「ビジネス遂行組織形態(Organization)」「ビジネス要素概念(Infomation)」の4つとしました。 今回は  「ビジネス遂行の能力(Capabiliti

        #21 2つのBA -DX推進の実際-    【顧客の価値を想定する➀】

          #18 2つのBA -DX推進の実際⑧-    【ビジネスの現状把握】

          前回は  DX推進のために必要な考え方と構想指針を示す「DX推進戦略」の策定について考える最終回でした。DX推進ではアジャイル的なマインドセットと行動を促すことが重要であると以前述べました。これは、現在ではビジネス環境の変化が激しいため、時の流れに従って目的を達成するため取り得る最適な選択も変化するということ、目的達成の途中であっても何らかの成果を現実化し、関係者が評価できることが重要であること、そのために常に活動を可視化することを可能にすること、を考慮した結果となります。

          #18 2つのBA -DX推進の実際⑧-    【ビジネスの現状把握】

          #17 2つのBA -DX推進の実際⑦-    【DX推進戦略の策定】

           連休で一回休みしたこのブログですが、今回はいよいよ戦略をまとめ上げるポイントについて述べて行きます。 前回は  「DX推進活動」の戦略策定要素の3つ目、「遂行しようとするDX推進活動のリスクを見積る」について考えました。DX推進活動実践するにあたり、考えられるリスクを想定し、そのための対策を立てそれをマネジメントしていくことはとても重要なことでした。  なおリスクには大きく2つのタイプがあります。リスクには想定可能なリスクと想定できないリスクがあります。想定可能でかつ活動

          #17 2つのBA -DX推進の実際⑦-    【DX推進戦略の策定】

          #16 2つのBA -DX推進の実際⑥-                          

          ◆DX戦略の策定 5 前回  DXを推進するための4つの戦略策定要素の2つ目である、「目的とする変革によってもたらされる、顧客や社会の価値を想定する」について掘り下げました。ビジネスの将来の姿を想定するという作業でしたね。 今回  戦略策定要素の3つ目、「遂行しようとするDX推進活動のリスクを見積る」について考えていきます。これは活動そのものにどんなリスクがあるのかを分析し、その結果をマネジメント(評価、見直し)します。 リスク分析  リスクを見極めマネジメントす

          #16 2つのBA -DX推進の実際⑥-                          

          #15 2つのBA ーDX推進の実際⑤ー

          ◆DX戦略の策定 4 前回の振返り  「DX推進活動の戦略」の立案についての方法論を考えています。前回はビジネス環境(エコシステム)の可視化によって、ビジネスの構造を明らかにすることについて述べました。そのためのテクニックがモデル化です。 今回は  戦略策定のための第二のステップである「目的とする変革によってもたらされる、顧客や社会の価値を想定する」について考えを進めて行きます。  このステップは言い方を変えると「ビジネスの望ましい将来状態を考える」ということになります。

          #14 2つのBA ーDX推進の実際④ー

          ◆DX戦略の策定 3 前回の振返り  「DX推進活動の戦略」を立案するため以下の4つの要素を示しました。  1.ビジネスを遂行する組織の現状を知る  2.目的とする変革によってもたらされる顧客や社会の価値を想定する  3.遂行しようとするDX推進活動のリスクを見積る  4.全体を取りまとめて戦略を策定する  さらに、「1.ビジネスを遂行する組織の現状を知る」ために次の3つのアプローチ手法を上げ、説明しました。  ●既存の企業内文書の分析  ●ヒアリング(引き出し)  ●現状

          #13 2つのBA ーDX推進の実際③ー

          ◆DX戦略の策定 2 前回は  「DX推進活動」の第一歩として、「戦略と目的の整合性確認」の重要性をお伝えしました。通常、企業活動には経営戦略や事業戦略が存在することはビジネスの前提となります。「DX推進活動」では、それらの戦略に沿った形でDX推進戦略を立てることが必要です。さらに、企業内で実施する様々な「DX推進活動」はこのDX推進戦略に基づいた「DX推進計画」を策定します。 DX推進活動の戦略 では、「DX推進活動の戦略」とはどのようなものなのでしょうか。DXは、社会

          #12 2つのBA ーDX推進の実際②ー

          ◆DX戦略の策定 1 前回の振返り 前回はビジネスアーキテクチャとビジネスアナリシスの概要とその関係について説明しました。 ビジネスアーキテクチャは企業や組織がビジネスを実行する目的(顧客に提供する価値提案)や、そのために保有すべき能力、それらを表現する言葉(ビジネス情報)、ビジネスを動かす組織などビジネスを実行するフレームワークを提供するものでした。 一方ビジネスアナリシスは、組織やビジネスに変革(チェンジ)を起こすためのフレームワークでした。どのような変革をどのように起

          #11 2つのBA ーDX推進の実際➀ー

          ◆2つのBA 1 前回の振り返り 前回まで5回に渡って「DX推進計画」のポイントについて解説してきました。 まず以下の4つの重要ポイントをあげました。 1.ステークホルダーエンゲージメントを確保するための計画 2.DXの「動機」のタイプの違い(新規の創造/既存の進化)を認識した目的の明確化 3.共通の目的達成に向けて実施する複数の施策のマネジメント計画 4.「アジャイル型」アプローチによる計画 続いて、関連する3つのポイントを挙げました。 5.「DX推進活動」をコントロール

          #10 2つのBA ーDX推進の計画⑤ー

          先日思いがけないアクシデントで、「#9 2つのBA ーDX推進の計画④ー」の原稿を消してしまいあわてて書き直してアップし直しました。 もちろん内容は「DX推進」するときの計画プロセスについての考察です。その中で「DX推進」の実行計画で、筆者が最も重要と考える4つのポイントを上げました。 まず、実施のためのステークホルダーエンゲージメントを確保するための計画、ついで実行しようとする「動機」のタイプの違いを認識した目的の明確化、共通の目的に向けて実施する複数のプロジェクトのコント

          #9 2つのBA ーDX推進の計画④ー

          あれっ?消えちゃった! なんと、3日がかりで書いて昨日公開したNoteが、変に編集しようとしたためか消えてしまいました。ん~残念ですが、気を取り直して書き直ししてみます。 前回「DXの推進の計画③」で、「DX推進」するための「動機」のタイプには2つありました。PRODUCE THINKING LABの金田隼人氏が言う「0」から「1」を創り出そうとするものと、「0.1」から「1」を創り出すものです。前者はいままでに存在しなかった新しい顧客価値をイノベーションにより作り出す行為

          #8 2つのBA ーDX推進の計画③

          前回「DX推進」にはその動機の違いによって2つのタイプがあると述べました。一つは全く新しいアイデアでイノベーションを起こし、これまでになかった新しい価値を子顧客に提供しようという活動です。つまり金田隼人氏がいう所の「0」から「1」を創り出そうとするものです。もう一つは同じく「0.1」から「1」を創り出すもので、既存のビジネスを深化させることで、顧客に新しい価値を提供しようというものです。DX実行の計画策定はどちらのタイプなのかを押さえた上で、目的を明確にすることが必要です。当

          #7 2つのBA ーDX推進の計画②ー

          先週2/21(水)にIIBA®日本支部が開催する「2023フォーラム&BAアワード」に主催者側として参加してきました。 久しぶりのリアル会場での開催ということで、実に楽しい時間を過ごすことができ、招待したお客様にも喜んでいただけたようです。この場ではBAに関する様々な活動を参加者に知っていただき、BAへの知見を深めていただくこと、参加者が懇親会の場で相互に情報交換を行い、他者のBAへの取り組みを知ることで、今後のBA活動の参考にしていただくことが目的でした。もしこれをご覧の方