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#10 2つのBA ーDX推進の計画⑤ー

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先日思いがけないアクシデントで、「#9 2つのBA ーDX推進の計画④ー」の原稿を消してしまいあわてて書き直してアップし直しました。
もちろん内容は「DX推進」するときの計画プロセスについての考察です。その中で「DX推進」の実行計画で、筆者が最も重要と考える4つのポイントを上げました。
まず、実施のためのステークホルダーエンゲージメントを確保するための計画、ついで実行しようとする「動機」のタイプの違いを認識した目的の明確化、共通の目的に向けて実施する複数のプロジェクトのコントロール(プログラムマネジメント/イニシアチブマネジメント)、「アジャイル型」アプローチによる実施計画でした。

今回は「DX推進」を実行するための計画策定時に必要な、その他のポイントについて簡単に触れて行きます。
なおここで触れる計画のポイントは筆者が独自に考えたものではなく、BABOK®V3(バボック)というビジネスアナリシスの知識体系に記載されているものです。このBABOKはIIBA®という国際的な組織が、ビジネスアナリシスに関する多くの知見を集約し、体系化した書籍です。
ビジネスアナリシスはビジネスに「チェンジ(変革)」をもたらすため、ビジネスの全体像を理解し、ビジネスの実行に必要な要求を規定し、その実現に必要なITを構想するための方法論です。本質的に「チェンジ(変革)」を正しく確実に実現するためのものですから、「DX推進」を行うための手法と言っても問題ありません。

さて、前置きが少々長くなりましたが「DX推進活動」の計画に必要なその他の要素です。
まず、先に挙げた4つの要素に加えて「DX推進活動」そのものをちゃんとコントロールするためのガバナンスを計画します。ガバナンスの計画では、要求事項の確定や変更などに関する意思決定のありかた、実施する作業の優先順位の付け方と変更管理等、を計画します。
次に「DX推進活動」で発生、明確化された「情報」を管理するための方法論とルールを計画します。「情報管理」は取得した情報の格納方法、アクセス方法に規定、「情報」の粒度、活用方法など「情報」を維持し利用するための計画です。
最後に「DX推進活動」そのものの品質を上げるため、改善すべき点を見つける方法を計画します。計画には「DX活動」のパフォーマンス測定方法、パフォーマンスを改善する方法を規定します。

ここに上げた7つが、「DX推進活動」の実施計画を策定するときのポイントとなります。
一つ気を付ける必要があるのは、「DX推進活動」の計画は基本的に「アジャイルアプローチ」で進めるため、計画の内容と精度が時間軸で変わる必要性が生じることです。つまり、一度計画したらその計画を維持するのではなく、状況の変化をしっかり見ながら変更の判断をすることが重要になります。

さてここまで、「DX推進」における計画のポイントについて述べてきました。普通「計画」には、これから実行する活動の内容を関係者が共有するという意味と、活動ではやってはいけないことを明確にするという意味を持ちます。これは「計画」という行為は関係者の「コラボレーション」を円滑に実施するためのツールでもあることになります。このことに留意し、計画を立てるようにしましょう。

次回から「DX推進活動」の実際について掘り下げて行くことにします。




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