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短編小説

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#シリアス

盲の一夜

その日懺悔をするのは、明朝死刑になる男だった。
罪状は、無実な一家の皆殺し。
父の腹を刺し、母の首を絞め、兄の額を打ち抜き、弟の体を川へと落としたと本人が証言している。
証拠隠滅のためか、警察が到着したときにはもう、家を焼いていたという。

刑場の地下牢は採光窓から入る月の光のみで、薄暗い。
鉄格子を隔てた先で、男はいた。
手足は長く、バランスの取れた体躯をしており、壮年であるようだ。
月明かりを

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