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掌エッセイ

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心に水を。日々のあれこれを随筆や掌編に。ほどよく更新。
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2022年2月の記事一覧

【掌編】存在感

【掌編】存在感

エレベーターが止まった。四階で。

妙である。わが家は七階にあるから自分では四階のボタンを押していないし、七階以外のボタンがオレンジ色に光っていた記憶も、覚えている限りではない。

もちろん、乗っているのは私だけ。他には誰も見当たらない。億劫そうにドアが開いたエレベーターに、誰かが乗り込んでくる気配もない。

蛍光灯が頼りなく照らす廊下は静まり返っている。

そこで考える──忘れ物か。つまり四階に

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